奈良

不比等

古都奈良・修学旅行と世界遺産の街(その902)

2019-02-12 08:15:00 | 奈良・不比等
北円堂を知らずして奈良の歴史は語れない
「哲学への回帰~資本主義の新しい精神を求めて(稲盛和夫&梅原猛共著・PHP文庫1999刊/1995版の文庫化)」を読んだ。稲盛和夫(いなもりかずお1932生れ)氏は、鹿児島大学(工学部)卒で、京セラ創業者である。梅原猛(うめはらたけし1925~2019)氏は、京大(哲学科)卒で、京都市立芸大教授・学長、国際日本文化研究センター初代所長を務めた。-----
「哲学への回帰」は、ソ連の社会主義体制が崩壊し、資本主義が勝ち残った時期に、お二人は資本主義も勝ち誇っている事は出来ないと、大いなる警鐘を鳴らしている対談本となっている。当時(1995)から2019年の四半世紀後(24年経過)にこの本を読んでみると、稲盛和夫氏と梅原猛氏の心配が現実のものとなって未だに解決していないことに驚きを禁じ得ない。-----
成功された実業家と学究がその想いをぶつけ合っていて、とても面白い。稲盛和夫氏の宗教観は若干、スピリチュアルに影響を受けたりなさっているのもご愛嬌と云った塩梅で、梅原猛氏も対談の序(つい)でに、京都学派/泰斗の西田幾多郎の“善の研究”が形而上学的な神秘な思弁に耽った理由を、“忠君愛国/教育勅語に抵触する道徳をつくると教授の職を棒に振る危険を感じたからだろう”と、さり気なく書いている。西田哲学が難解で無意味に感じられるのはその所為だったのかと、大変良く分かった。流石に京大哲学科の学究だけあって本当の処をハッキリと書けるのは梅原猛氏だけだろうと思った。これだけでも「哲学への回帰」は面白いと思った。
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