奈良

不比等

古都奈良・修学旅行と世界遺産の街(その770)

2018-10-03 08:15:00 | 奈良・不比等
「日本衆愚社会(呉智英著・小学館新書2018刊)」を読んだ。呉智英(くれともふさ1946生れ)氏は、早稲田大学(法学部)卒で、知識人論やマンガ論の分野で執筆活動に務めている。----
「日本衆愚社会」は週刊ポストの連載コラム(2016.2.12~2018.6.1)を新書化したものとのこと。新書化に当たり補論を追記してくれているので分かり易くて面白い。-----
リベラルアーツが特権階級・自由人の知り得る教養であると誰も知らないとか、今や50%を超える大学進学率の時代にリベラルアーツを身に付けた教養人ばかりとなった国とは何なのかと疑問を呈しているとか、知能指数150以上の高校生は医学部には行かせずに大学の哲学科に集めて日本からカントやヘーゲル並みの哲学者を誕生させてみよとか書いている。-----
全体に政治面でのポピュリズムの話が多いようで、戦前でも普通選挙法が制定されてからの方が軍国主義化が進んでいるのだと解説している。尤も治安維持法とセットで成立している点は減点もので良識のある発言を封じた点で良くなかったとは思っているようである。-----
70年安保の全共闘世代の一人であり、俗物でなく西部邁と相性が良かったなど、矢張り一廉の人物として評論には教えられることが多いと感じた。
コメント
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