奈良

不比等

古都奈良・修学旅行と世界遺産の街(その772)

2018-10-05 08:15:00 | 奈良・不比等
「時をあやつる遺伝子~岩波科学ライブラリー275(松本顕著・岩波書店2018刊)」を読んだ。松本顕(まつもとあきら1965生れ)氏は、大阪府立大(総合科学部)卒で、山口大学大学院(理学研究科)を修了し、九州大学より博士(理学)を取得している。2016年より、順天堂大学准教授である。専門は時間生物学とのこと。------
「時をあやつる遺伝子」は、2017年に3人の研究者が時計遺伝子の研究でノーベル賞を授与されるまでの熾烈な50年(1971~2017)に亘る研究史を書き連ねたものである。著者の松本顕氏も一時期はその競争メンバーであったが、結果としては敗れ去った側になる。それでも時計遺伝子の研究は現在の“合成生物学”の分野を開拓した功績も併せてノーベル賞となっており、更なるノーベル賞の生れる研究領域に繋がっている。-----
岩波科学ライブラリーなので文系クラスの頭脳では理解しきれない内容が詳細に書かれており、流石にレベルが高い。もっと分子生物学の基礎の教科書を読まないと時計遺伝子関係の解説をして貰っても付いていけないと事が多いと思った。-----
巻頭にも書かれているように、分子生物学の研究者は、第二次大戦中に原子爆弾を開発したマンハッタン計画から戦後流れてきた物理学者が創始したものであり、とても知的な構造が緻密であり、それこそ知能指数が150以上必要とも思えるのだが、松本顕氏は、何とか一般読者にも分からせようと苦心惨憺してくれている。-----
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