奈良

不比等

古都奈良・修学旅行と世界遺産の街(その773)

2018-10-06 08:15:00 | 奈良・不比等
「天皇と儒教思想~伝統はいかに創られたのか(小島毅著・光文社新書2018刊)」を読んだ。小島毅(こじまつよし1962生れ)氏は、東大(文学部)卒で、同大学院(人文科学研究科)を修了し、現在は東大教授である。専門は中国思想史とのこと。-----
「天皇と儒教思想」では、記紀編纂の時代から明治期に創設された天皇の細々とした宮中祭祀についてある種、暴(あば)いてくれている。庶民は全て、少なくとも天武天皇の時代から続いているのだと思っている人が多いと思われるが、高々、150年前の造作であるのだと明言してくれている。-----
元号の話についても、易姓革命の取り扱いを表に出ないように工夫して来たのだと解説している。日本史が専門の学者ではないので中国・東アジアから見た日本の様子を分かり易く解説してくれているのである。春秋2回の彼岸も中国では春だけ、韓国では秋だけなのに日本は両国を真似して2回になっていると笑い話にしてくれている。日本人の頭(おつむ)の程度が知れるとも書いている。この辺りのことには口を濁す学者が多い中で自信たっぷりに書けるのは矢張り良くも悪くも、東大の強みであるのだろうと思った。
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