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日本オペレッタ協会の「シューベルトの青春/三人姉妹の家」

2024-02-12 11:59:12 | オペラ
2月11日(日)の昼に北とぴあつつじホールで、オペレッタの「シューベルトの青春/三人姉妹の家」を見る。14時開演で20分の休憩を挟み16時35分頃終了。日本語上演。日本オペレッタ協会は寺崎裕則が長く率いていたが、2023年に亡くなったのでどうなるかと思っていたが、現在は田代誠が理事長になっているようだ。北とぴあは、さくら(大)ホールもそうだが、つつじ(中)ホールも、座席の横幅が狭すぎて、男性が並ぶと肩がぶつかって疲れる。古くて設備も傷んでいるので、客席数を1割ぐらい減らして、見やすい劇場にしたほうが良いと思う。

オペレッタは、若き日のシューベルトが、失恋して書きかけの交響曲が「未完成」に終わるという話で、映画の「未完成交響楽」と同じような話。100年ほど前にウィーンで初演され、パリでも上演された。ロンドンでは「ライラックの頃」という題名で別台本で上演され、白井鐵三が見て、日本でも「ライタック・タイム」として宝塚で上演した。米国ではロムバーグが曲を書いて、「花咲く頃」という題名で上演した人気作。

この公演ではドイツ語の題名が書かれていたので、寺崎氏による翻訳台本がベースになっているのだろう。音楽はシューベルトの曲をそのまま使っている部分とオペレッタ用に付け足した部分が混在している。伴奏はピアノとクラリネットの二人で、500名弱の小さな劇場なので、舞台上手に楽団を置いていた。未完成のモチーフが要所に現れ、有名な歌曲も流れるので楽しさもある。

オペレッタの楽しみといえば、軽い芝居と歌だが、この公演はどちらも中途半端。どちらかを取れと言われたら歌だろうが、現役を引退した歌手の懐かし番組のようで、まともに声の出ていない人が多かった。これでは聴く楽しみがない。芝居も台詞まで歌の発声で演じる人がいるので、違和感がはなはだしい。これは地声で台詞を発生するように、演出家が注意すべきだ。

まあ、見ている観客も、出演者と一緒に年を取ってきた人と、そのお友達といった雰囲気だったので、それでよいのかも知らないが、観客層は広がらないだろうと思った。

帰りがけに、ビール屋で軽く食事。ラガーとペールエールを1杯ずつ。食べ物はソーセージとサラダ。何となく満足感が得られず、家に帰ってブルーチーズとクリームチーズを食べながらボルドーの赤を飲んだ。

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