本日、明日(木、金)と、工房は夏休みをいただいてます。
ご注意ください。
府中の美術館にいってきました。
森閑とした公園内に、ぽつり。
大学の彫刻科時代の怖い先輩・冨長敦也さんの、個展・・・というか、公開制作が行われてるのです。
これが一風変わってまして。
こちらが展示室・・・つか、制作室。
石の作品が展示・・・いや、てんてんと配置されてます。
ハアト型の石彫作品。
心臓のように見えたり・・・
また、棺のようにも見え・・・
優しくなめらかな造形は、見るひとの心を解いてくれます。
かと思えば、不意に胸を突かれたり。
この石塊を、みんなで磨きましょ、ってのが、作家の企てでありまして。
この時間は誰もいませんでしたが、そっと磨いてみる。
しはんも、美大の学生時代は石彫をやってましたが、石は機械で削り出し、ノミで小突き倒して成形した後、紙やすりを当てるのですよ。
なめらかな石肌をつくるためには、結局、ひとの手でコシコシと磨くしかないのです。
「どうぞお使いください」の紙やすり。
粗い目からはじまって、現在は1500番という細密な、およそ「石にこの番数の紙やすりを?」というところまで進んでます。
しかし、作家氏は6000番まで用いたい模様・・・
これはピカピカつるつるになりますね。
シャコシャコシャコ・・・手応えも心地よろしい。
あ、これ、やりはじめると止まらない・・・
真冬の、雪が吹き込む石彫室を思い出す・・・
こうした活動を、世界中で展開してるというのですね。
つまり、「みんなでハアトを磨こうではないか」という。
作家氏は、被災地でこの石を見出し、鎮魂の想いも込めてまして。
情報を見て、あまりにも深く心を動かされたんで、駆けつけたのでした。
こういう尊い仕事が、芸術家にはできるのですね。
「
冨長敦也・Love Stone Project - Fuchu」は、9月2日(日)まで、府中市美術館で開催されてます。
興味をお持ちの方は、ぜひ足をお運びくださいな。
東京都練馬区・陶芸教室/森魚工房 in 大泉学園