(旧)東京で陶芸体験!陶芸教室/森魚工房(練馬区大泉学園)

↓こちらに引っ越しました。
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茶道

2006-09-11 20:41:35 | Weblog
現代のサムライとなるべく、お茶の稽古に通ってます。
お茶の世界はすさまじく厳粛です。
四畳半の小宇宙は質素かつ清潔で、二日目の靴下をはいて踏み入ることなどもってのほかです。
都会の中に閉ざされたこの森閑とした空間。
その静けさに、ツバを飲み込むことさえはばかられます。
咳き込みやくしゃみも限界までガマンします。
ゲップも飲み込まなければならないし、歯の間に挟まったトウモロコシをせせるのもガマンせねばならないし、音もおろか、すかせば立ちこめること必至なので屁もこらえねばなりません。
足がしびれても「うああ・・・」とかうめいてはいけないし、おまんじゅうを食べても「あま~い」などと叫んではならないし、間抜けをしでかしても「許してちょんまげ」などとおどけることは許されません。
こんな窮屈な世界に、ぼくはなぜこんなにものめり込んでしまうのか?
その答えは・・・いつか考えてみたいと思います。(←その前にまとめ方を考えとけよ)

ものの価値

2006-09-11 12:11:23 | Weblog
工房には版画が大小二枚かざってあります。
小さいほうは、ぼくがある版画のグループ展を観にいったときに目にとまったもの。
ひどく粗雑な感じのエッチングで、へたと評価するより他に言いようがありませんでした。(左上写真)
だけどその画面の中で一カ所、ひどく心を突かれた点があって、どうしようもなく感じ入ってしまったのです。
「譲ってもらえませんか?」とたまたまその場にいた作者と交渉しました。
そのひとは花屋でバイトをしてるお嬢さんで、「ワタシの画なんて、恥ずかしいですわ」と謙遜でもなんでもなく真っ正直に言うド素人さん。
結局、あらためて刷り直したものを5000円で譲ってもらいました。
そして大きなほうも、同じく彼女の作品です。
件の購入から一年後に同じ版画のグループ展を観にいくと、また彼女の画が出品されてたのです。
再びそのヘタウマ世界観に衝撃を受けたオレは「今回も譲ってください」と交渉しました。
ところが彼女は、前年のグループ展から一年間の間に「北海道版画ビエンナーレ」で最高賞を受賞し、その後イタリアの「ボローニャ国際絵本展」でも賞を受け、いっぱしの作家様になってたのでした。
うれしいじゃありませんか。
自分は知らず知らずの間にひとりの作家を見いだしてたわけです。
彼女はそれでも前年とさして変わらない金額を提示してくれました。
額縁代のほうが高くついてしまいましたが、そういうものが工房にはかざってあります。
自作品の値、ということで思い出したのでした。