枕元にムーミン ~トーヴェ・ヤンソンの世界

2009-05-06 23:34:24 | 書物の海

     

トーヴェ・ヤンソンの特集号と、GW中持ち歩いていた本


 大型連休とは殆ど縁のない生活(休めて三日かな?)が十五年ほど続いているニワトリさんですが、皆様この連休をいかが過ごされたでしょうか? お休みだった二日間は、お天気に恵まれたこともあって、せっせと出かけてきました。4~5日は仕事。今日6日もシフト上は仕事になっていましたが、人員が足りていたため「休み」になりました。最初から決まっていれば話は変わったでしょうが、それほど嬉しくありませんでした。
 朝になっても雨は一向に止みそうもなく、アオガエル君はシートをかぶってお休みです(本物のアオガエルだったら大喜びでしょうが・・・)。こういうときは映画のはしごにかぎると、上映時間を調べ始めたのですが、観たいと思っていた映画の1本が5月9日!封切でした。映画は1本だけにして、大江戸博物館の「手塚治虫展」か、国立科学博物館の「恐竜展」を絡めることも考えたのですが、GWの人混みを予想しただけで行く気が失せてしまい、ベッドでごろごろ過ごしました。
 ところがですよ、GWが始まる直前に手にした雑誌がきっかけとなって、GWの期間中ずっと1冊の単行本を持ち歩いていたせいか(城ケ島へツーリングしたときも、夜勤のときも持っていった)、今年はずっと休みが続いていたような気持ちになれました。不思議だなあ~。
 何はともあれ、「ありがとう、トーヴェ・ヤンソン&ムーミン!」


(左上)ヤンソンがクルーヴ島に建てた家。クルーヴ島は海の中にある離れ小島で、『ムーミンパパ海に行く』の舞台になった島に似ている。この島で『楽しいムーミン一家』が執筆された。
(右中)絵本作家ヤンソンは、本当は画家になりたかったのかもしれない。長年暮らしたアトリエで多くの作品を描いた(父は彫刻家だった)。
(左下)ヤンソンが借りていたヘルシンキ市内のアトリエ。最上階の角部屋で窓から海が見える。アトリエにはロフトがついていて、寝具が置かれた。30歳 のときにここに移り住み、60年近い年月を過ごすことになるのだけど、自分もこういう部屋に住みたいと思う。『芸術新潮』の特集号、ムーミン・ファンは必読だね~♪


 特集号を眺めていたら、「ムーミン」シリーズが読みたくなり、本棚から(文字どおり)掘り出した。7年前に大多数の本を思い切って処分したのだが、それでも、じわじわと本が増殖してくる。ここも普段は二重に本が積まれているので、背表紙が見えることはない。ボロボロになった『ツバメ号とアマゾン号』と『エルマーの冒険』三部作以外は小学生当時に買ったもの。
 このときは『ムーミン谷の彗星』までだったが、「ムーミン」シリーズは全9作ある。第一作の『小さなトロールと大きな洪水』で、彼らはムーミン谷に移り住むことになるのだけど、この話を自分は知らない。以下、『ムーミン谷の彗星』『楽しいムーミン一家』『ムーミンパパの思い出』『ムーミン谷の夏まつり』『ムーミン谷の冬』『ムーミン谷の仲間たち』『ムーミンパパ海へ行く』『ムーミン谷の十一月』(これも未読)と続く。
 『ムーミン谷の彗星』は、もしかすると一番好きな作品かもしれない。城ケ島の海岸を歩いたとき、『ムーミン谷の彗星』の第1章でムーミントロールとスニフが見つけた海や洞窟と、ここの景色がよく似ていることに気づいた。正確に言うと、彼らと同じように初めての冒険旅行で自分が見つけた海や洞窟が「ここ」だったのだ。ならば、この本を持っていったのも単なる偶然ではなかったのかもしれない。以前はムーミントロールと格好良いスナフキンに寄り添って物語を読み進めていたが、久しぶりに読み返してみると、小さなスニフが無性に愛しかった(猫にも会ったことだし・・・)。


 全14巻の「ムーミン・コミックス」。筑摩書房より2000年から配本が始まった(富原眞弓=訳)。財政難?のため最初の2巻しか買っていない。この頃は、まだ岸田今日子さんも健在だった・・・まだ手に入れられるかなあ?
 なお、自分の持っている古い全集(講談社)は文庫化(講談社)されていて、コミックスを出した筑摩からも、富岡さんの新訳で全集が刊行されているみたいなので、少しずつ揃えていこうかな?

 今夜も枕元でムーミンを読みながら眠ります・・・