アーバンライフの愉しみ

北海道札幌近郊の暮らしの様子をお伝えしています。

柳広司著「南風(まぜ)に乗る」

2023年08月04日 | 読書三昧


沖縄からの「風」が真実を運ぶ・・・。
本土復帰までの住民の苦難と闘いを描いた大作。「週刊ポスト」2021年10月~2023年1月連載、401頁。

先の大戦の地上戦で多くの犠牲者を出した沖縄住民は、強制的な土地収用や低賃金、自由往来の制限等々、米軍統治下の27年間、極端な無権利状態に置かれた。

その窮状を打開し本土復帰を図るため、さまざまな闘いが繰り広げられたが、そこにはいつも瀬永亀次郎氏の姿があった・・・。

本書では、詩人の山之口獏氏を語り部に、その苦難の歴史を詳述しているが、単に事実の羅列では読者を感動させることはできない。難しいテーマだが、一工夫欲しかった。

蛇足:この時代の物語には、真藤順丈氏の直木賞受賞作「宝島」がある。

 

 

 

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