アーバンライフの愉しみ

北海道札幌近郊の暮らしの様子をお伝えしています。

千早茜著「しろがねの葉」

2023年08月10日 | 読書三昧

 

2022年下半期第168回直木賞受賞作。
「小説新潮」2020年4月~21年1月連載、314頁。

市の図書館に予約を入れたのが、今年の2月
74人待ちとなったが、ようやく順番が来て読むことができた。

戦国末期から江戸時代初期にかけ、石見銀山に生きた一人の女性の物語。

文章の美しさ、卓越した描写力、小説はこう書くのだと提示されたかのような抜群の文筆力に脱帽。ご一読をお勧めします。(お勧め度:★★★)

選者寸評~高村薫氏
「銀山の歴史的伝承や銀掘りの作業の詳細など、多くの資料を読み込み、十分に消化した上でこなれた物語に仕上げている。まさしく小説の才であると同時に、テーマとの幸運な出会いというものだろう。銀を掘り出す坑道の圧倒的な暗さ、冷たさに作者が感応して初めて本ものの文体が生まれる。」

蛇足:石見銀山世界遺産センター

 

 

 

コメント