青春タイムトラベル ~ 昭和の街角

昭和・平成 ~良き時代の「街の景色」がここにあります。

南街会館 ~え?“ここ”がミナミのど真ん中?

2024-02-04 | 昭和の映画館

僕は子供の頃から人の何倍も、映画館や試写会に足を運びまくりましたが、主戦場はいわゆる「キタ」と呼ばれる大阪梅田界隈で、せいぜい試写会で本町の「御堂会館」に足を延ばすくらいでした。例外は「南街劇場」で、キタで見損ねた作品を観たり、映画のハシゴで時間が会わずそこに行くこともありました。

勿論、「千日前国際劇場」「千日前セントラル」「天王寺ステーションシネマ」「道頓堀東映パラス」「トビタシネマ」「新世界国際」等にも足を運んでいますが、「南街劇場」は別格でした。

写真は1982年の年末の、難波駅前にあった南街会館です。ランボーではなく、見損ねた「ポーキーズ」を観に行きました。

南街劇場の入っていた南街会館は1987年(明治30年)2月15日、フランスのリュミエール兄弟製作による「シネマトグラフ」が上映され、この上映会は入場料を接収した日本で初めての興行であり、そのことから南地演舞場跡地の南街会館が映画興行発祥の地とされています。TOHOシネマズとなった現在も、1階のTOHOシネマズ直通エレベーターの右側の壁に、その記念碑が埋め込まれています。

僕が子供の頃から親しんだ「南街劇場」が入った南街会館は、東宝が昭和20年に旧南街映画劇場を所有していた南街映画劇場を合併し、昭和28年(1953年)に南街ビル(南街会館)を建築しました。それが上の写真なのですが、この南街会館が建つ前の南街映画劇場の写真がこれです。

これがミナミのど真ん中だと信じることが出来ますか?大阪に出て来た親父が、よくここに映画を観に行ったと自慢話をしてくれますが、自慢されても想像もつきませんが(笑)写真を見ると驚きます。辺りは空き地だらけで、現在の繁華街からは想像も尽きません。しかも上映されている映画が大好きなジョン・フォード=ジョン・ウェインという黄金コンビによる「アパッチ砦」!

現在は東宝南街ビルとなり、「なんばマルイ」「TOHOシネマズなんば」が入っています。シネコンとは違う、収容人員1,000名に迫る大劇場の大スクリーンで観るものこそが映画と思っていた僕にとっては、今のシネコンならば、ドルビーアトモスと80インチに迫る大画面液晶テレビを備えた自宅の方が映画を快適に楽しむことが出来ます。悲しいことですが、劇場に行くと上映途中でトイレに行くような年齢になりましたので・・。



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