青春タイムトラベル ~ 昭和の街角

昭和・平成 ~良き時代の「街の景色」がここにあります。

これが2番館 ~“十三東映”・“十三ロマン”

2024-06-11 | 昭和の映画館

映画好きには懐かしい言葉かも。「2番館」や「3番館」。大劇場が消え去り、シネコンばかりになっても、映画公開の興行形態は今も残っています。

大阪や東京などの大都市の映画館は、「ロードショー館」と呼ばれ、新作が封切られます。しかし、余りにも客足が悪ければ上映期間が短縮され、逆に大ヒットになると延長されたものです。でも、大都市の郊外や地方の映画館は、封切り日が遅い代わりに2本立てや3本立てで映画を観ることが出来ました。こういう公開の遅い映画館を「2番館」、更に公開の遅れる映画館を「3番館」と呼びました。

スクリーンも小さいけれど、2本立て3本立てだし、家から近いし、料金も安いし、見逃した作品を観れるというメリットは大きかった。でも、今ではこういう映画館はどんどん閉館となっています。新作映画もすぐにDVDになってレンタルが開始されたり、配信で家に居ながら観ることが出来るからです。

ここは阪急宝塚線・十三駅の商店街にあった「十三東映」です。「十三」は「じゅうそう」と読みますが、藤田まことのヒット曲「十三の女」で有名になりました。大阪第一学区の最高レベル校「北野高校」もあれば、駅前に商店街があるだけではなく、駅近くに「風俗店」や「パチンコ」「キャバレー」「ラブホテル」が密集する特異な場所です。映画「ブラックレイン」のロケ地にもなりました。

上の写真では分かりにくいですが・・・

このように商店街の中にある小さな映画館でした。「十三東映」は1,400円・学生1,100円。「十三ロマン」も1,400円・学生1,100円。

80年代には十三には映画館が、まだ沢山残っていました。他には「十三シネマ」は松竹系を公開。料金も梅田のロードショー映画館より100円安いだけの1,400円・学生1,200円。でも2本立て。「十三アカデミー劇場」はポルノ3本立てで1,400円・学生1,100円。「十三弥生座」は洋画・邦画問わずの3本立てで、一般1,000円・学生900円でした。

この時代、梅田「北野劇場」でのロードショーが、一般1,500円、大学・高校1,300円、中学1,100円、子供900円と結構細かい料金設定で、「OS劇場」や「阪急プラザ」「三番街シネマ1~3」も同じ。梅田コマ劇場にあった(現在のHEPファイブ)「コマ・ゴールド」と「コマ・シルバー」は、洋画のリバイバル2本立てで、ゴールドは一般900円学生800円、シルバーは一般800円学生700円という良心的なお値段でした。