青春タイムトラベル ~ 昭和の街角

昭和・平成 ~良き時代の「街の景色」がここにあります。

ホラー映画 ~リアルタイムで観た70年代ホラー!

2021-01-18 | 青春・名画劇場

僕は小さな子供だった頃、日曜洋画劇場で「ドラキュラ」を見て、とにかくすごく恐かった。思わず窓にニンニクを吊るしました。「狼男」を見て、銀の弾丸で倒せるなら銀玉鉄砲じゃ無理かな?と悩みました。フランケンシュタインを見て、いくら優しくてもあの顔は恐いぞと考えました。最初に見た恐怖映画は、そういう映画で、半魚人やミイラ男とか、ハエ男がこれらに続きます。

ついつい恐いもの見たさで、いつもTVの前に座りました。でもそのうち、ドラキュラを倒すために城に行くのに、「どうして夕方に行くんだ?朝から行けば時間もタップリあるのに」とか、「どうして仲間を連れていかないの?」「なぜドラキュラは女性しか噛まないのか?」などと疑問を持ち、そこにドラキュラ映画のお約束事があることに気が付きました。そこから恐怖映画は娯楽だと気が付いたのです。(笑)でも、もう1つ疑問が残りました。どうしてこんな映画を作るんだろう?

小学生高学年になった頃、「あしたのジョー」や「愛と誠」を読んでいた頃に、恐い映画が流行しました。「ヘルハウス」「デアポリカ」・・・大阪はOS劇場に、友人に誘われ株主優待券で無料で観に行きました。西部劇のような爽快感もないし不気味だし、もう行きたくないと思いました。館内には「キャーキャー」という女性の声が上がっていました。

そんな時にあの大ヒット映画が上陸したのです。「エクソシスト」です。漫画「恐怖新聞」や「うしろの百太郎」、ユリゲラー、ノストラダムスの大予言らによって、オカルトブームが到来していた頃です。少年マガジンには巻頭特集も組まれました。さすがに「これは恐い!」と感じ、多くの人が映画を見て失神した・・なんて聞くと、絶対に行かないと思いました。

しかし・・・行きました。年上の憧れの先輩が「観に行こうか?タダ券があるし。」と誘ってくれたからです。(考えたらこれが人生の初デート?でした。)勿論返事はイエスしかありませんでした。OS劇場の大きなスクリーンで、隣には憧れの先輩。年下でもこっちは男。絶対に恐くない!と思っていたら映画がスタート。「むちゃむちゃ恐い!これ本当に映画か?」と声に出したくなった頃、キャー!と私の腕にしがみついてくるのは先輩!「え?」シャンプーの何ともいえない香りは忘れられません。

この時分かりました!頭の中の「知恵の輪」が解けたのです。恐怖映画は、「お化け屋敷」だったんだ!デートで楽しむ為にあるんだ!と。(笑)小学生の頃に恐怖映画を観に来て聞いた悲鳴は、こうやってカップルが楽しんでる声だったんだと。

その後も本格的な恐怖映画「オーメン」が作られました。最初はダミアンの父親役に、ジョン・ウェインが候補に挙がったのですが、「悪魔に俺がどうして負けるんだ!」と激怒して断り、グレゴリー・ペックが名演を見せてくれました。シリーズはパート3まで作られましたが、シリーズ化の走りでした。

このカップルで楽しむ「お化け屋敷」ムービー。こういう大きな映画会社が作る大作の影で、低予算で作られる映画も70年代には多かったのです。しかし予算が無いので、大掛かりなことは出来ません。アイデア勝負に走ったものが出ました。そしてそこからカルト的な人気を呼ぶ、トビー・フーパーという監督の名前も有名になりました。

「悪魔3部作」と僕が勝手に呼ぶ3本はヒットしました。「悪魔のはらわた」は臓器好きの博士の映画。「悪魔のいけにえ」は、今や説明は不要でしょうが、御存知チェーンソーの男が大暴れの1本。公開当時はショッキングな映画でマニアに拍手で迎えられました。「悪魔の墓場」はゾンビものですが、サントラに幽霊の声が入っている等の話題もあり、名画座の定番になりました。

「ゾンビ」の元祖が「ナイト・オブ・ザ・リビング・デッド」であることは、有名であり事実ですが、その「ゾンビ」を初めて日本に紹介したのが、実は本作なのです。内容は「ナイト・オブ・ザ・リビング・デッド」のイタリア流リメイク。しかし、そんなことを知らないので、その斬新さに驚かされた。その後「ゾンビ」を観た時は「ゾンビ」の方がパクリかと思いました。3本とも恐いと言うより、「気持ち悪い」という映画でした。そしてアンディ・ウォーホールの作った「処女の生血」。処女の血しか飲めないドラキュラが数少ない処女を求める映画で、処女と思って飲んだらそうではなく、吐いて苦しむというナンセンスな映画でした。(笑)

大作とB級が観客を動員して行く夏の風物詩、「健全なお化け屋敷」が映画館で毎年見られたのが70年代でした。(続く)

「悪魔のいけにえ」ばかりがカルト化して有名になりましたが、「悪魔の墓場」もそれと双璧のホラー映画でした。僕ら映画仲間の間では、「いけにえ」と「墓場」は甲乙付け難いツートップでしたが、その「悪魔の墓場」が遂にDVD化します!