大学通りの桜並木
(住所:東京都国立市中3丁目付近)
(住所:東京都国立市中3丁目付近)
JR南武線の谷保駅で降り、立川教会の国立(くにたち)集会所を訪ねてから、桜が満開の大学通りに寄った。このメインストリートを北へ進むと、一橋大学の国立キャンパスがある。先ごろ、「花見の自粛」をブチ上げた石原慎太郎都知事の母校だ。私は慎太郎の放言を聞くたびに、「ファシズム復古」を感じ取ってしまうのだが、それは気のせいだろうか。広々とした構内を散策すると、時計台のある附属図書館やロマネスク様式の兼松講堂などの建物が美しい。
関東大震災で校舎が倒壊した一橋大学は、神田から国立と小平へ移転。旧校地には、現在も如水会館などの建物がある。大学を迎えた国立は、農村から学園都市に変貌した。見事な桜並木の大学通りは、その遺産である。この日も多くの老若男女でにぎわっていた。自粛を押しつける石原都知事は、ささやかな花見を楽しむ人々の幸せが妬ましいのだろう。まったく野暮な男だ。ちなみに、“野暮天”の語源とされる谷保天満宮は、ここから徒歩圏内にある。
谷保駅へ戻る途中、富士見台第一団地の脇を通った。私が過ごした団地と、よく似ている。郷愁に駆られて、広々とした敷地内を散策した。富士見台の造成は1965年だから、千葉の習志野台団地と、ほぼ同世代と言えよう。住棟間の芝生も贅沢なスペースが確保されている。快晴になると、団地のベランダに洗濯物や布団が満艦飾のように干されていたのを思い出す。ただ、この日はそれらが少ないことに気がついた。 放射性物質の付着を恐れているのだろうか。
国立富士見台第一団地
(住所:東京都国立市富士見台1丁目)