三多摩の鐘

The Bells of San Tama -関東のキリスト教会巡り-

復活節第2主日のミサ

2013年04月10日 | ミサ聖祭
ある晴れた日の聖イグナチオ教会
(住所:東京都千代田区麹町6-5-1)

兵庫県小野市では生活保護の「不正受給」を市民が通報する条例案を可決。東京都町田市では小学校の新入生向け防犯ブザーの配布先から朝鮮学校を除外しようとした。それらの背景に潜む「市民の声」はこうだ。「生活保護受給者は税金泥棒だから、我々は行政機関と結託して彼らの私生活を監視する。また、朝鮮学校の子どもが凶悪犯罪の犠牲になったとしても、それは北朝鮮の軍事的挑発に対する報いだ」。私は「ニッポン人であること」が死ぬほど恥ずかしい。

4月7日(日)、聖イグナチオ教会で復活節第2主日のミサに与った。四ツ谷の空を仰ぐと、大小の綿雲が急速な勢いで流れている。例の「爆弾低気圧」の余波だろう。午前8時30分、ミサ開祭。福音朗読は、復活したイエスが弟子たちの中に現れる場面(ヨハネ20・19-31)。朗読箇所後半のトマスの姿は、カラヴァッジョの名画「聖トマスの不信」が有名だ(わき腹の御傷に指を差し込んでいる)。トマスは「聖母被昇天」の構図でも「見たから信じた」姿で描かれている(注)

司式のアルフレド・セゴビア神父は、トマスの「弁護人」となって話された。「おそらく、『決して信じない』と言い放ったトマスは、『主を見た』と喜び合う他の弟子たちと同じ体験をしたかったのでしょう。私たちもそのことを大切にしたいと思います。伝聞や知識で信じるよりも、実際にイエスと出会う体験がなければ、私たちの信仰は強く根付かない。神との様々な関係や出来事を通して、イエスと出会う力が授けられるように祈りましょう」。神よ、信じる心を私にお与えください。


聖イグナチオ教会の聖母子像

(注):ティツィアーノやカラッチの描く「聖母被昇天」では、トマスが被昇天の「証拠品」として聖母の腰帯を手にしている。なお、トマスは後にインドで宣教し(当初は「行きたくない」と固辞)、そこで殉教したという。「新約聖書外典」の『使徒ユダ・トマスの行伝』がそれを伝えている。

◆この日のミサ中の主な歌:
ミサ曲(イシドロ・リバス神父作曲。「栄光の賛歌」のみ典礼聖歌204)、入祭:カトリック聖歌205「わが君イエズス」、奉納:典礼聖歌130「主をたたえよう」、拝領:典礼聖歌156「めぐみのパン」(聖歌隊奉唱)、閉祭:典礼聖歌410「よろこびうたえ アレルヤ」。

◆主な参考文献など:
・「鑑賞のためのキリスト教美術事典」 早坂優子著(視覚デザイン研究所・2011年)
・「新約聖書外典」 荒井献編(講談社文芸文庫・1997年)
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