
日本正教会 東京復活大聖堂教会
(住所:東京都千代田区神田駿河台4-1-3)
(住所:東京都千代田区神田駿河台4-1-3)
5月の連休中、私は正教会の東京復活大聖堂を訪ねた(他教派の聖堂を拝観するのは気が引けるが)。戦前から「ニコライ堂」の名で親しまれ、国の重要文化財に指定されている。教会正門に掲げられた説明板を転載。「この聖堂は明治17(1884)年3月に起工し、工期7年を以て同24(1891)年2月に完成したもので、設計者はロシア工科大学教授シチュールポフ博士、工事監督は英国人コンドル博士(注)です。日本最大のビザンチン式建造物」という。
拝観するには、聖堂入口で献金(300円程度)が必要となる。領洗(受洗)していない者は、聖所と呼ばれるエリアに入れない。そこは「大ホール」のようになっていて、天井が高いドームの真下に当たる。「信徒席」が少ないのは、正教会では奉神礼(典礼)を主に起立した状態で行なうからだ。聖堂内の正面には、ついたてのようなものが見える。これはイコノスタス(聖障)と呼ばれ、その向こう側は至聖所という最も聖なる空間で、聖櫃や宝座(祭壇)がある。
荘厳な雰囲気に圧倒された私は、ようやく聖堂の外に出た。正門横に衛兵詰所のような建物がある。これは教会事務所で、イコンや書籍などが頒布されている。私はCD「正教会聖歌集」を入手。ロシアの作曲家が愛した正教聖歌の伝統的な調べが日本語で歌われている。いつの日か、この聖歌が響く聖体礼儀(ミサに相当)に参祷したいと思う。なお、正教会ではイエス・キリストを「イイスス・ハリストス」、聖母マリアを「生神女(しょうしんじょ)マリヤ」と呼んでいる。

大聖堂外観

<聖堂北面の外壁に「生神女庇護」の聖像画がある>
(注):ジョサイア・コンドル(1852-1920年)。鹿鳴館、綱町三井倶楽部などを手がけた建築家。
◆主な参考文献など:
・「聖体礼儀のお話し」 東京大主教教区教務部編(日本ハリストス正教会教団東京大主教教区・1990年)
・「ギリシャ正教」 高橋保行著(講談社学術文庫・1980年)
◆参考CD:
・「正教会聖歌集」 大阪・豊橋正教会聖歌隊ほか(日本ハリストス正教会教団府主務庁:CD-001)
※LPレコードからの「盤起こし」らしく、スクラッチノイズなどが気になるが、聴取には耐え得る。