三多摩の鐘

The Bells of San Tama -関東のキリスト教会巡り-

カトリック三河島教会

2011年02月14日 | 東京のカトリック教会
カトリック三河島教会(教会堂名:使徒聖ヨハネ)
創立:1933年 ◇ 住所:東京都荒川区荒川3-11-1

JR常磐線の三河島駅で降りる。昭和の香りが漂う荒川仲町通りを歩く。狭い道の左右には、さまざまな個人商店が軒を連ねている。ハングルの看板を掲げた飲食店が目立つ。明治通に出ると、イエス像が屋上に屹立する三河島教会が見えた。モダンな外観からは想像できないが、この教会の歴史は戦前に遡る。 日本が軍国主義に染まっていた1933年、チマッティ神父率いるサレジオ会員らが三河島の土を踏んだ(チマッティ神父については、調布教会の記事を参照)。

創立当時の三河島教会の様子を、チマッティ神父の日誌が伝えている。 「ここは、東京で貧しい地域の一つである。道には、子どもたちがあふれている」、「午後になると、運動場は子どもたちでいっぱいになる。もう場所は狭くなってきている。ドン・ボスコはトリノの街まで子どもたちを探しに行っていたが、ここはその逆だ。子どもたちが私たちを探しに来る。私たちも、こんなに簡単に教会学校が始められるとは思っていなかった」(「チマッティ神父・日本を愛した宣教師」より)。

夕暮れなずむ頃、私が3階の聖堂で祈りを捧げていると、子どもの声が聞こえてきた。おそらく、階下のドン・ボスコ保育園からだろう。安らかな気分になって退堂すると、入口のカゴが目に留まった。「今日のみことば」という小さな巻物が何本も入っている。おみくじを引くような心境で、そのうちの一本をいただいた。リボンをひもとくと、私への「みことば」が顕れた。 「わたしの神よ、助けを求めて叫ぶ声を聞いてください。あなたに向かって祈ります。(詩篇5.3)」。神に感謝。


現聖堂献堂:1971年


聖堂外観

◆主な参考文献など:
・「チマッティ神父・日本を愛した宣教師」 T・ボスコ、G・コンプリ共著(チマッティ資料館・2001年)
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