三多摩の鐘

The Bells of San Tama -関東のキリスト教会巡り-

カトリック府中教会

2011年01月26日 | 東京のカトリック教会
カトリック府中教会(教会堂名:聖家族)
創立:1990年 ◇ 住所:東京都府中市府中町1-40-11

私は京王沿線に住んでいるが、府中は通過することが多く、車窓から眺めているだけだ。遠い昔、私は甲州街道沿いに一本の煙突が立っていたのを覚えている。その胴体には、「國府鶴」の大きな文字が書かれていた。酒造工場があったのだろうか。また、旧下河原線の廃線跡も印象に残っている。まだ遊歩道などが整備されず、錆びついたレールが放置されていた頃だ。現在、それらの風景は失われてしまったが、府中を通るたびに当時を思い出している。

京王線の府中駅で降りる。馬場大門のケヤキ並木を南へ進むと、武蔵の古社として名高い大國魂神社がある。つい先日、我らの菅直人首相が初詣に訪れたらしい。世相に全く疎い首相は、朗らかに「庶民大増税」の誓願を立てたのだろうか。余談はさておき、私は府中教会を目指して並木道を北へ進むことにした。教会から遠くないところには、カトリック府中墓地がある。ここに建設が予定されていた聖堂の行方については、既に世田谷教会の記事で触れた。

府中教会に着く。聖家族の白い立像が迎えてくれた。司祭館などの施設が大きく造られているのは、ここにミラノ外国宣教会の日本管区本部があった時代の名残かもしれない(現在、本部は多摩教会後方の丘陵に移転)。府中教会の歴史は約20年と浅いが、それ以前は宣教会の施設に地元の信徒が集まっていたのだろう。聖堂に入ると、パイプ椅子が整然と並んでいる。ミラノ情緒を期待すると裏切られる光景だが、どことなく家族的で親しみやすい雰囲気である。


現聖堂献堂:1978年頃?


カトリック府中教会の聖母子像
コメント (2)
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