三多摩の鐘

The Bells of San Tama -関東のキリスト教会巡り-

カトリック初台教会

2011年01月10日 | 東京のカトリック教会
カトリック初台教会(教会堂名:聖アルフォンソ・マリア・デ・リゴリ)
創立:1956年 ◇ 住所:東京都渋谷区代々木5-16-3

聖イグナチオ教会の週日ミサに与った後、初台教会を訪ねることにした。京王新線の初台駅を出て、山手通を南へ進む。振り返ると、東京オペラシティが高く聳えている。ここのコンサート・ホールは、タケミツメモリアルという。私は武満徹氏の慰霊堂を思わせる雰囲気が苦手で、一度も訪れたことがない。 今や“スピリチュアル何とか”の江原某氏がリサイタルを開くような「芸術の殿堂」だ。隣接の新国立劇場も振るわず、人事に絡む不協和音ばかり聞こえてくる。

初台教会に着いた。ルルドのマリア像が立つ広場を挟んで、聖堂とレデンプトール会(至聖贖罪主修道会)の建物がある。初台教会の守護聖人は、この修道会を創立した聖アルフォンソ(1696-1787年)。大聖堂に入ると、左右の壁に掲げられた「十字架の道行」が目に入る。彫刻家の舟越保武氏による大作だ。私は舟越氏が描いた聖ルドビコ茨木の御絵を大切にしている(注)。舟越氏の作風は心に染みる悲哀が漂う。「道行」のイエスも悲しい表情だ。本当に痛ましい。

この初台は、高田三郎氏の所属教会だった。私は高田氏の「典礼聖歌」に複雑な思いを抱いている。頑なに高田氏を拒む理由が、自分でも全く分からない。だが、遠くない日に高田氏の音楽に覚醒することもあろう。 その時、私が高田氏に抱いた先入観は、恥ずべきものとして残るだろう。そもそも、敬虔なカトリック信徒の高田氏を、未信者の私が批判するのは大きな過ちだ。舟越氏の「道行」に囲まれながら、私は「御血の功徳によりて、わが罪を赦し給え」と祈った。


現聖堂献堂:2002年


カトリック初台教会のルルドの聖母像

(注):有名な「長崎26人殉教者記念像」の制作デッサンの一枚。御絵には永井隆博士の詩が添えられている。
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