【映画がはねたら、都バスに乗って】

映画が終わったら都バスにゆられ、2人で交わすたわいのないお喋り。それがささやかな贅沢ってもんです。(文責:ジョー)

「グリーン・ゾーン」:木場六丁目ギャザリア前バス停付近の会話

2010-05-15 | ★業10系統(新橋~業平橋)

こういうショッピングモールも、緑が多いとほっとするな。
癒しのグリーン・ゾーンね。
しかし、世の中には癒されないグリーン・ゾーンもあるぞ。
ポール・グリーングラス監督が新作で描いたグリーン・ゾーンとか?
ああ、イラク戦争でアメリカ軍が駐留した地域を“グリーン・ゾーン”と呼ぶなんて知らなかった。
イラク全土の中で、アメリカ軍のいるところだけ、安全地帯風の名前をつけるなんて、現地の人々から見れば無神経そのものだけどね。
その中で大量破壊兵器の在りかを探す兵士の姿を描いたのが、文字通りの映画「グリーン・ゾーン」。
いくら探しても大量破壊兵器なんか見つからない空しい作業に疑問を持つうち、嘘で塗られた戦争の真実を暴いていくことになる。
いまとなっては、ほぼ常識になっていることで、それほど驚くようなことじゃないけどな。
日本だって、核の密約とかいって国民は騙されてきたのに、それを知っても、やっぱりね、という感じで、それほど衝撃じゃなかったもんね。
だから、この映画も、そういう真正面から戦争の真実を告発するっていう映画じゃなくて、それを題材にアクションシーン満載のサスペンス映画を撮ってみましたというつくりになっている。
イラク戦争といえば、どうしてもつい最近の「ハート・ロッカー」と比較したくなっちゃうけど、あちらはリアルな戦争の風景、こちらは「ボーン・アルティメイタム/イラク戦争版」だもんね。
戦闘シーンや追撃シーンの迫真さ、臨場感はさすがだけどな。めまぐるしく動くカメラ、スピーディーなカッティング、キレのある編集、映画の呼吸は「ボーン・アルティメイタム」そのままだ。
監督・ポール・グリーングラス、主演・マット・デイモンのコンビも同じだしね。
イラク戦争がこういう娯楽映画の形で取り上げられるようになってきたっていうのも、ある意味、時の流れかな。
でも、最後を決めたのがイラク人の行動だったっていうところが、ストーリーのミソなんじゃない?
真の主役はイラク人だったってことか。
うん、“グリーン・ゾーン”は、やっぱりイラク人にとっての“グリーン・ゾーン”であってほしいって思ったもの。
たしかに。







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