元・還暦社労士の「ぼちぼち日記」

還暦をずっと前に迎えた(元)社労士の新たな挑戦!ボチボチとせこせこせず確実に、人生の価値を見出そうとするものです。

メンタルヘルス・マネジメントとは?(その6⇒採用面接等のチェック)

2012-02-20 05:51:22 | 社会保険労務士
 メンタル不調となり得る者の面接等でのチェックは可能か?

 それでは、うつ病等のメンタル不調となる者を採用面接等でチェックし排除できれば、会社としてはそうするであろう。ちょっと過激な言い方になりましたが、会社を経営する経営者としては、そうするべきであるし、そうできるならば当然の方法であろう。(法にふれない限り、原則として、どういう人を採用するかは会社の自由である。→。⇒「どんな人を採用するかは会社の自由」) しかし、答えはNOである。

 メンタルヘルス・マネジメントの教科書(大阪商工会議所編)によれば、次のとおり述べている。

 あらかじめ将来的にそうなり得る人(そういう因子を持った人)を採用や昇進の際にスクリーニング(選別)することが現実に可能かといえば答えは否です。それは高血圧や胃潰瘍において予測困難であるのと同様です。
 
 なぜなら第一に人事上の采配を決定するに足る確たる根拠として個人のメンタル不調の可能性を察知することは医学的に困難であること 第二に従来型のうつ病と親和性が高いとされる病的性格に「自分自身に対する以上に周囲に配慮する」「物事の手順や秩序を重視する」というものがあり、これは組織人という観点からは高い順応性とパフォーマンスの源となり得ること 第三に過労自殺と認定された人の多くが直前まで「仕事ができる人」と評価されており、その7割以上が治療を受けていない勤労者であったことなどが挙げられます。つまり、うつ病などのメンタル不調は特殊な人の心の病ではないのです。

 よって、メンタルヘルス対策を考える上では、以下の前提に立つことが必要になります。まず、すべての人・だれもがメンタルヘルス不調になる可能性があること。このため、特定個人へのアプローチや選別という発想でなく、むしろ職場環境の改善(特にコミュニケーション)や管理監督者が部下の健康管理に配慮することで対処すること。すなわちメンタルヘルス不調を個人の問題ではなく職場というシステムの問題としてとらえる立場です。(以上、「メンタルヘルスマネジメント検定試験公式テキスト・ラインケアコース」大阪商議所編より)

 採用の際、個人個人チェックするのではなく、個人が入ってからのうつ病にならないような職場環境の改善がカギとなることになります。もしも、医学的に困難な、将来そうなりうる人を会社として、独自の偏った?基準に基づき選別を行うならば、現在のところ、法違反とはなりえないところですが、社会的に批判の的になる可能性としてはあり得ます。そうではなく、会社としてそうならないような職場環境を整えることが必要です。



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