元・還暦社労士の「ぼちぼち日記」

還暦をずっと前に迎えた(元)社労士の新たな挑戦!ボチボチとせこせこせず確実に、人生の価値を見出そうとするものです。

武蔵の五輪書は兵法書なれど、今に通じる人生・ビジネスの極意。<キムタクの宮本武蔵=拍子とは>

2014-03-21 05:35:42 | 社会保険労務士
 剣術を剣の道まで高めた「五輪書」で述べる物事の「拍子」とは?


最近放映された「キムタク」=木村拓哉の宮本武蔵は、私の住んでいる地域においては、後編が翌日放映されたのではなくて、同日一挙放映されていたのでしたが、私はそのことを知らず、後編を見逃してしまいました。前編を見た限りは、武蔵の恋人役のお通は、登場して来るし、沢庵和尚のふるまいも、吉川英治原作の「宮本武蔵」であったようだ。

 実は、宮本武蔵は、記録に残っているのは、晩年で熊本藩に招かれてからのことで、それ以前は、誕生地さえもどこの「宮本村」なのか分かっていないのが現実であって、皆が周知している「宮本武蔵」は吉川英治原作の「宮本武蔵」のイメージによるところが大きい。

 さて、その武蔵であるが、兵法の書としての「五輪書」を残しており、この五輪書は、いかに相手に勝つかの剣術の方法を記したものであるが、「空の巻」などで分かるように、記述の全部にわたって哲学や人生の指南書としても読めるものである。

 武蔵の誕生年は、1584年であるとされ、1645年に亡くなったとされるが、豊臣と徳川が二つに分かれての天下分け目の戦いの「関ヶ原の戦い」が1600年であるから、その頃やっと武蔵が大人になって、その戦いに参加することになるのであり、その後の世の中の展開は、1603年に家康が徳川幕府を開き、1615年に大阪夏の陣と続き、これをもって徳川幕藩体制の確立となる、ということで、武蔵が活躍しようとする時代は、もう世の中は、戦国時代ではなく平定した世の中になっていたのである。

 そういう時代であったから、戦いに暮れた浪人たちが、剣の修行に明け暮れ、どこかの藩の剣術の試合があると聞けば、出かけていって、そこで名乗りをあげて取り上げてもらうという、「仕官の道」を探していたのである。武蔵もその中の一人であった。

 しかし、五輪書を見れば、柔術が柔道となったように、剣術を「剣の道」にまで高め、先に説明したように、今で見れば哲学的、人生やビジネスに応用するような芸術的なところまで、武蔵の剣は、到達していたようなのである。 

 さて、この五輪書の中、「地の巻」の「兵法の拍子の事より」に、「物事につけ、拍子はあるものなれども、とりわけ兵法の拍子、鍛練なくては及びがたき所なり」とある。なにごとにも「拍子」があるというのである、この拍子は、リズム、物事の勢いの良しあし、その良しあしの「波」のことであるが、この拍子=勢いの良しあしを分かるのは、鍛練しなければ身につかないというのである。相手のリズムをつかみ、それに応じて、反応して、戦わなければ勝てないとしている。もっと具体的に、端的に言うと、「相手の拍子を崩す拍子」を会得して、戦いを仕掛けて、勝つということで、その調子が分かるためには、訓練が必要と云っているのである。

 私みたいに人生の終盤にかかると、この「拍子」の論理は、なるほどとうなずけるものがある。いかに自分で努力しようと、うまくいかないときがあり、そのときは落ち込むのであるが、時の勢いというのがあると感じざるを得ないものがある。若い人から言わせると、あきらめではないかとともいえるのであるが、そうではなく、調子ともいうべき、時の流れを見極めていなかったといえるのであろう。その時は一生懸命であって、努力を重ねても、やはり人間には限界があるということであろう。武蔵もまた、関ヶ原の戦いの参戦、大阪の陣の参戦ともいずれも敗戦の側についたので、彼の人生のスタートも、いい調子ではなかったのである。

 ビジネスにおいても同様で、相手の「波」を把握し、自分もまた、自分の「波」を計算して、それが自分にとって味方しているのかを把握して、勝負にも望まなければならないことになる。ビジネスにおいては、それを見極めるのは、どうしたらいいのかということであるが、ここは、その「調子」があるということを心得て、剣の道では、鍛練=訓練を重ねることができるのであるが、ビジネスではそうもいかないので、その場面・場面での経験を重ねるしかないのであろう。若いころの「敗け」は、その「調子」を計るための「経験」として、次の勝負に生かすしかないと思われる。その時には負けても、物事には「調子」というものがあるということを、まず知ることが必要である。そこで、その見計らいがまずかったという経験を経て、その経験の中から、「調子」を見極めることができるようになって、大成していくものであろう。

 <参考>宮本武蔵の人生訓(童門冬二著)PHP文庫、宮本武蔵の五輪書(細谷正充著)中経出版

※余談ですが、パソコンで見る限り、後編を見ての「何なんだ、あのラストシーンは」ということが話題になっていますが、がっかりした方もいらしゃるようなので、後編を見なかったのは、正解だったのでしょうか。見ていないので何ともいえませんが・・・。

<⇒宮本武蔵、五輪書,新入社員教育の極意>

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