勝海舟とキリスト教

出たばかりの「勝海舟とキリスト教」（下田ひとみ著・作品社）を池袋の本屋さんでみつけました。
勝海舟とキリスト教？意外と思う人もいると思いますが、実はかなり関係が深いんです。幕末から明治にかけて生きた勝海舟、特に幕末はまだキリスト教禁教の時代ですからキリスト教のことを知ろうと思うと大変なことになる時代です。そこが勝海舟の変わったところで、どんな危険な状況でも好奇心がまさって知ろうとするわけです。この本の中にもいろいろと勝海舟とキリスト教のことが書かれています。主には明治以降、お雇い外国人を勝海舟がめんどうをみたホイットニー一家が熱心なクリスチャンでそのことが書かれています。このホイットニー一家を勝海舟が家の敷地内に住まわせて一家が行っていた聖書研究に関心を持つわけですが、かなり熱心にキリスト教のことを学んだようで、勝海舟がクリスチャンになった記録はありませんが、信仰心も持つようになったようです。
無敵勝流といわれ争いごとを好まなかった勝海舟は、キリストの教えにかなり共感したようで、江戸城無血開城や明治に入っての日清戦争反対論もこの表れではないでしょうか。