Dr内野のおすすめ文献紹介

集中治療関連の文献紹介が主な趣旨のブログ。
しかし、セミリタイアした人間の文献紹介なんて価値があるのか?

特殊な膜を用いたCRRTによる中分子の除去

2021年02月05日 | 腎臓
今更どうした、Critical Care?

Lumlertgul N, Hall A, Camporota L, et al.
Clearance of inflammatory cytokines in patients with septic acute kidney injury during renal replacement therapy using the EMiC2 filter (Clic-AKI study).
Crit Care. 2021 Jan 28;25(1):39. PMID: 33509215.


Scharf C, Liebchen U, Paal M, et al.
Blood purification with a cytokine adsorber for the elimination of myoglobin in critically ill patients with severe rhabdomyolysis.
Crit Care. 2021 Jan 28;25(1):41. PMID: 33509234.


分子量が数万の中分子(サイトカインとかミオグロビンとか)がCRRTで除去できるか。
篩係数が大きかったり吸着効果が高かったりする特殊な膜を使えば効果は増強するか。
というのは、20世紀からある話。僕も何本か文献を書いた。

除去できるかと言えば、当然除去される。濾液を見れば、入っている。
それが血中濃度を低下させるのに十分かと言えば、条件や物質によって異なり、ほとんどの場合は低下しないけど、うまくいけば低下する。
その低下が予後を改善するかと言えば、しない。

もうとっくに結論の出ている話かと思っていたし、文献もほとんど見かけなくなっていたのだが。
突然、CCに2つ掲載された。

今更どうした、Critical Care???
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JIPADデータ利用が開始されて1年経った。

2021年02月04日 | JIPAD
JIPADのデータ利用が解禁!

この1年で、利用申請が21件。
そのうち2件は国際雑誌に文献が受理されている。
その2件は、JIPADに利用申請をして、自分の施設のIRBを通して、データをJIPADから受け取って、解析して、執筆して、投稿して、直して再投稿して、というプロセスを1年以内に終了したということで、それって凄くない?

データ利用の説明はこちらから。
今月から2019年度のデータも利用可能になったので、合計で軽く10万例オーバー。
おっと、当然のことながらJPAD参加施設であることが条件ですよ。
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今年のSCCM

2021年02月03日 | その他
そうか、その時期だ。忘れてた。
今年はさすがにオンラインだそうだ。
もしかしたらSCCM会員ならタダで見られるかも?と期待したが、登録料7万円だって。
リタイアした人間には払えません。

Hughes CG, Mailloux PT, Devlin JW, ; MENDS2 Study Investigators.
Dexmedetomidine or Propofol for Sedation in Mechanically Ventilated Adults with Sepsis.
N Engl J Med. 2021 Feb 2. Epub ahead of print. PMID: 33528922.


NEJMからメールが来たのは今のところこれだけ。
いつもならJAMAからも来るのだけど、そっちはゼロ。
やっぱり少ないのかな?

それにしてもこの研究、DEX(0.27μg/kg/hr)、Prop(10.21μg/kg/min)と、両方ともすごく少ない。
フェンタがそれなりにしっかり使われている(だいたい60μg/hr)からだろうか。
少量で比較して差が出るとは思えないが。
ちょっと不思議。

DEXブームもそろそろ終焉ですかね。
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