Dr内野のおすすめ文献紹介

集中治療関連の文献紹介が主な趣旨のブログ。
しかし、セミリタイアした人間の文献紹介なんて価値があるのか?

みんな、discussionが苦手

2016年01月11日 | ひとりごと
そんな気がする。
あ、会話とか臨床とかでのディスカッションではないですよ。特に若者が初めて文献を自分で執筆するときのdiscussion。
これまでも書いた話題だけど、今回はイマイチなdiscussionの具体例を示してみようかと。
こうやるんだよ、だけよりも分かりやすいかも、と思って。

典型例は二つ。
一つ目は、お勉強したことをただただ書いていくパターン。まるで教科書やレビューみたいな内容になる。Discussionは自分の研究結果についてdiscussionするところであって、一般論を書くところじゃない。でも、自分の研究結果を他と比較したりするのは難しいらしく、つい一般論が長くなる。超初心者に見られるパターン。

二つ目は、単純に他の研究と比較するパターン。例えば、ある研究と結果が異なったので、その理由として自分の研究は症例数が少なく後ろ向きだったことが考えられる、とか書いちゃうやつ。それって、確かに比較はしているけど、読者に何の情報も与えていない。読む価値がないと自分で宣言しているのも同じ。一般論はダメだよと指摘した結果として見られる初心者のパターン。

Discussionは、読み終わったあとに、読者(より正確にはreviewer)が、あー勉強になった、この研究って意味あるなー、と思ってもらうために書くところ。一般論はreviewerは知っているし、単に他の研究と比較しても意味があるとは思ってもらえない。
簡単に言えば、メッセージ性を持たせる。読者に何を記憶してほしいか、そこを決めてから書きましょう。

料理で例えると、discussionは盛り付けかな。どんな良い素材をどんな腕の良い料理人が調理しても、盛り付けがひどいとお客さんは美味しいとは思ってくれないし、その逆も成り立つでしょ?
コメント
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