今日はバイト(内科外来)が忙しい。文献を読んでいるヒマがない。
何故、PCP疑いまで来るんだ?
ということで、ざっと紹介。
Connolly ES Jr, Rabinstein AA, Carhuapoma JR, et al.
Guidelines for the Management of Aneurysmal Subarachnoid Hemorrhage: A Guideline for Healthcare Professionals From the American Heart Association/American Stroke Association.
Stroke. 2012 May 3. [Epub ahead of print] PubMed PMID: 22556195.
まだ、正式には出ていないが、AHA/ASAによるSAHのガイドライン。前回は2009年で、そのアップデート。今後は3年毎に新しいのを出すらしい。いろいろ内容が変わっていて、面白い。
Hempel S, Newberry SJ, Maher AR, et al.
Probiotics for the prevention and treatment of antibiotic-associated diarrhea: a systematic review and meta-analysis.
JAMA. 2012 May 9;307(18):1959-69. Review. PubMed PMID: 22570464.
抗菌薬関連の下痢に整腸剤が効くかどうかについてのメタアナリシス。82の研究が検討され、整腸剤の投与は下痢を約半分に減らす。でも、予防投与がほとんどで、下痢をしてから投与したら有効なのか、クロストリジウムはどうか、具体的にどの菌を含んだ整腸剤が良いのか、はよく分からない。
Klein Klouwenberg PM, Ong DS, Bonten MJ, et al.
Classification of sepsis, severe sepsis and septic shock: the impact of minor variations in data capture and definition of SIRS criteria.
Intensive Care Med. 2012 May;38(5):811-9. PubMed PMID: 22476449.
SIRSのクライテリアの実際の使い方(コンピュータで集めるか手で集めるか、頻脈などがどれくらい続いたら含めるか、同時に満たすか24時間以内ならOKとするか、など)によって、セプシスの頻度がどう変わるかを検討。ルールの決め方によって、セプシスの頻度は22%から31%、敗血症性ショックでは4%から9%の幅があった。細部まで決めないと、セプシスの研究をするときに困る。
Chacko J, Nikahat J, Gagan B, et al.
Real-time ultrasound-guided percutaneous dilatational tracheostomy.
Intensive Care Med. 2012 May;38(5):920-1. PubMed PMID: 22349428.
経皮的気管切開をするときに、ブロンコは使わずにエコーで出来るよ、というレター。
で、ちょっとだけ解説するのはこれ。
Kellum JA, Bellomo R, Ronco C.
Kidney Attack.
JAMA. 2012 May 9. [Epub ahead of print] PubMed PMID: 22572776.
(今気がついたが、まだepubだった。でも、ということは誰でも全文が読めるよ。)
まず、著者。
この3人はAKIに興味のある人なら誰でも知っている有名人。
アメリカ人とオーストラリア人とイタリア人なんだけど、お友達(誰かが、悪ガキトリオと呼んでいた)。
その3人が、また変な文章をJAMAに書いていた。
内容は、
・Heart attackやbrain attackは一般人でも知っていて、緊急事態であることが直感的に分かる。
・一般に知られていると、その重要性が医学界でも認識されるので、多くの研究が行われる。
・それに比べ、AKIはAMIと同じくらいの頻度で発生していて、かつ予後に与える影響はAMIよりも大きいのに、一般には全然知られていないし、医療者もその重要性を認識していないし、研究も進まないし、治療法も見つからない。
・じゃあ、やることが全然ないか、無視してもいいか、というとそんなことはなく、予後を改善するための方法はたくさんある。例えば、AKIのリスクを認識するとか、腎毒性物質を避けるとか、体液過剰をさっさと防ぐとか、いろいろ。
・"Kidney attack"という言葉は、一般人の認識を高め、医療者の認識を高めるために有効かも?
単純計算すると、2012年にAKIで三百万人が死ぬらしい。にもかかわらず、透析によるサポートぐらいしか治療法がない、というのは問題だ、という話。
そろそろ午後の外来の時間。
何故、PCP疑いまで来るんだ?
ということで、ざっと紹介。
Connolly ES Jr, Rabinstein AA, Carhuapoma JR, et al.
Guidelines for the Management of Aneurysmal Subarachnoid Hemorrhage: A Guideline for Healthcare Professionals From the American Heart Association/American Stroke Association.
Stroke. 2012 May 3. [Epub ahead of print] PubMed PMID: 22556195.
まだ、正式には出ていないが、AHA/ASAによるSAHのガイドライン。前回は2009年で、そのアップデート。今後は3年毎に新しいのを出すらしい。いろいろ内容が変わっていて、面白い。
Hempel S, Newberry SJ, Maher AR, et al.
Probiotics for the prevention and treatment of antibiotic-associated diarrhea: a systematic review and meta-analysis.
JAMA. 2012 May 9;307(18):1959-69. Review. PubMed PMID: 22570464.
抗菌薬関連の下痢に整腸剤が効くかどうかについてのメタアナリシス。82の研究が検討され、整腸剤の投与は下痢を約半分に減らす。でも、予防投与がほとんどで、下痢をしてから投与したら有効なのか、クロストリジウムはどうか、具体的にどの菌を含んだ整腸剤が良いのか、はよく分からない。
Klein Klouwenberg PM, Ong DS, Bonten MJ, et al.
Classification of sepsis, severe sepsis and septic shock: the impact of minor variations in data capture and definition of SIRS criteria.
Intensive Care Med. 2012 May;38(5):811-9. PubMed PMID: 22476449.
SIRSのクライテリアの実際の使い方(コンピュータで集めるか手で集めるか、頻脈などがどれくらい続いたら含めるか、同時に満たすか24時間以内ならOKとするか、など)によって、セプシスの頻度がどう変わるかを検討。ルールの決め方によって、セプシスの頻度は22%から31%、敗血症性ショックでは4%から9%の幅があった。細部まで決めないと、セプシスの研究をするときに困る。
Chacko J, Nikahat J, Gagan B, et al.
Real-time ultrasound-guided percutaneous dilatational tracheostomy.
Intensive Care Med. 2012 May;38(5):920-1. PubMed PMID: 22349428.
経皮的気管切開をするときに、ブロンコは使わずにエコーで出来るよ、というレター。
で、ちょっとだけ解説するのはこれ。
Kellum JA, Bellomo R, Ronco C.
Kidney Attack.
JAMA. 2012 May 9. [Epub ahead of print] PubMed PMID: 22572776.
(今気がついたが、まだepubだった。でも、ということは誰でも全文が読めるよ。)
まず、著者。
この3人はAKIに興味のある人なら誰でも知っている有名人。
アメリカ人とオーストラリア人とイタリア人なんだけど、お友達(誰かが、悪ガキトリオと呼んでいた)。
その3人が、また変な文章をJAMAに書いていた。
内容は、
・Heart attackやbrain attackは一般人でも知っていて、緊急事態であることが直感的に分かる。
・一般に知られていると、その重要性が医学界でも認識されるので、多くの研究が行われる。
・それに比べ、AKIはAMIと同じくらいの頻度で発生していて、かつ予後に与える影響はAMIよりも大きいのに、一般には全然知られていないし、医療者もその重要性を認識していないし、研究も進まないし、治療法も見つからない。
・じゃあ、やることが全然ないか、無視してもいいか、というとそんなことはなく、予後を改善するための方法はたくさんある。例えば、AKIのリスクを認識するとか、腎毒性物質を避けるとか、体液過剰をさっさと防ぐとか、いろいろ。
・"Kidney attack"という言葉は、一般人の認識を高め、医療者の認識を高めるために有効かも?
単純計算すると、2012年にAKIで三百万人が死ぬらしい。にもかかわらず、透析によるサポートぐらいしか治療法がない、というのは問題だ、という話。
そろそろ午後の外来の時間。