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元自衛官の心に潜む悲しみと狂気!稲垣吾郎&長谷川博己主演「半世界」来年2月公開。

2018-12-07 22:46:49 | 作品レビュー

 さて、今週は都内某所で阪本順治監督、稲垣吾郎&長谷川博己主演「半世界」(18)を試写で観て来ました。38歳の紘(稲垣吾郎)は生まれ育った地元で父の後を継ぎ炭焼き職人として働きながら、反抗期の息子明(杉田雷麟)が虐めの対象になっていても、それを妻の初乃(池脇千鶴)に任せ切り、ただその日を生きる毎日でした。同じく地元で中古車ショップを経営する中学の同級生光彦(渋川清彦)ら地元の人間ともそれなりに付き合いながら平和に暮らす紘の許に自衛隊を辞めた同級生の瑛介(長谷川博己)が突如帰って来ます。

海外勤務だった瑛介は妻とも離婚し、紘たちとも距離を置き、ただ自宅に引き篭もり続ける毎日で、明らかに精神を病んでいる様子でした。紘と光彦はそんな瑛介に何とか元気を取り戻させようと、カラオケに誘ったり紘の炭焼きを手伝わせたりと様々な形で瑛介を励まし、やがて瑛介も少しずつ元気を取り戻していきます・・。

しかしそんなある日、光彦の中古車ショップで買ったトラックを明らかに違法投棄に使った痕跡のまま返品にやって来たヤクザ業者たちと光彦が乱闘になっている場に瑛介と紘がたまたま通りかかります。ヤクザ業者に痛めつけられている光彦を見た瞬間、瑛介の心の奥に眠っていた“戦士の炎”が甦り、瑛介は狂人のような怒りと共に圧倒的な格闘術でヤクザ業者たちを殴打し、その腕をヘシ折りまくり撃退します。

一体戦地での瑛介、いや自衛隊での瑛介に何があったのか!?映画はここから炭焼き場を守ろうと心労を重ねる紘、虐めに立ち向かう紘の息子の明、そして心に闇を抱えそれに悶え苦しむ瑛介、この3人の人生が目まぐるしく変化していく中で、不惑という人生の折り返し点を迎えた男たちのそれぞれの生き様を淡々と浮き彫りにしていくのでした。

主人公の紘を演じる稲垣吾郎の田舎の炭焼き職人らしからぬ都会的な台詞廻しや佇まいにかなり戸惑いますが(^_^;)、その分長谷川博己の凄みある元自衛官振りが実に冴えまくっています。特に中盤で瑛介がヤクザ業者たちを相手に披露するド迫力の格闘シーンは、まるでスティーブン・セガール作品を彷彿させるような、それは見事なファイティングシークエンスでした。このシーンは必見です。改めて本作の凝斗を担当したウルトラマンレオこと二家本辰巳の素晴らしい殺陣構築に拍手を贈りたいですね。

この「半世界」は来年2月15日からTOHOシネマズ日比谷他にて全国ロードショーとの事ですので是非。

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