今日はレクレーションで「あやとり」をしました。
実は私、子供の頃はかなり「あやとり好き」で、おこずかいを溜めてはあやとりの本を買い、大作がうまくできたときには母の裁縫道具からマチ針を拝借し、昆虫標本のようにあやとりを電話帳(!)などに貼り付けて眺めたりしていました。今にして考えるとあまり子供らしくない趣味ですよね。
今日は天気も悪くてレクレーションに興味を示してくれる利用者も少なく、なにをしようかなぁ・・・と思案にくれているときに、ふとあやとりをすることを思いつきました。初めての試みで、うまくできるか心配・・・私ももう20年ちかくあやとりをしていないのでできるかどうか・・・ま、いいか!とりあえずやってみました。
すると・・・意外や意外、普段あまりレクに興味を持ってくださらない方が興味をもって参加してくださり、しかもその方、かなりあやとりがお上手!それをみていた別の方が「とりやいこ(二人で交互に糸をとりあうあやとりの仕方)しよか!」と・・・。お二人のあやとりはとめどなく続き、見ているほうからもため息がもれるほどでした。
拍手喝さいをあびるお二人に「どうしてそんなにあやとり上手なの?」と尋ねてみると、おふたりとも
「手が覚えてたわ!」と・・・。
そこから話は子供の頃の話になり、女の子たちはおじゃみやあやとりに熱中し、ちょっと大きくなったら小さい子に自分でおじゃみを作ってあげたりして遊んだそうな。戦時中はおじゃみのなかにいれる豆も食料に変わり、川原で丸い小石をひろっておじゃみに詰めたそうです。あやとりの紐も、今日使ったような柔らかい毛糸の紐なんかなくて、着古した着物を裂いたりして作っていたそうです。
あんまりお上手なので「じゃ、ちょっと教えて!」と、教えてもらうことにしたのですが・・・「あんたの手、大きいからこんな短い紐じゃ糸がとれへんわ!」と却下。「いまどきの子はあやとりなんかしいひんのやろ」と笑われてしまいました。
一本の紐からこんなに話が膨らむなんて・・・。そして何十年たった今でも、それらの遊びを覚えている素敵な「手」・・・。人間の潜在能力ってスゴイ!
ふたり向き合ってあやとりをするお年寄りの姿が、一瞬だけだけどキラキラ輝く子供に見えました。