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乳がんの漢方治療 続々編

2006-10-28 12:31:07 | うんちく・小ネタ

果たして再発性乳がんの治療に西洋抗癌剤で治療するのは正しい選択なのか?

リセプター阻害型の乳がん治療薬は「延年益寿」「延寿」を可能にするのか?

再び患者の本音に戻って、、

「乳がんのガン細胞だけ殺傷して、自分の正常な細胞には毒性が無くて、ともかく副作用が小さくて、この際ガンは消失しないまでも、何とか寿命を全うできるようにしてもらいたい。」という患者の本音である。

ほとんどの抗がん剤には腫瘍特異性がない

先日思いもかけない訃報に愕然とした。55歳で乳がんで亡くなった友人は、手術時にすでに近接転移(近くのリンパ節への転移)が発見され、できるだけ、転移リンパ節を手術時にとり除いた。手術後に、

epirubicinエピルビシン)とPaclitaxelパクリタキセル(タキソール)の併用抗がん剤投与を6回行い退院した。頭髪はすっかり抜け落ち、爪(つめ)も真っ黒に変色したらしい。抗がん剤の骨髄抑制によって、白血球数は一時800以下になり、血小板は3万以下になったが、その後、治療が完了し、ひとまず退院となった。13ヵ月後、再発。肺に転移が見つかった。多発性の肺転移像が確認された。

 要は、epirubicinエピルビシン)とPaclitaxelパクリタキセル(タキソール)の併用抗がん剤投与ではがん細胞は死滅していなかった。

今度は、パクリタキセル(タキソール)とtrastuzumab(トラスツズマブ、商品名Herceptinハーセプチン)の併用療法を開始した。

トラスツズマブとはリセプター阻害型の乳がん治療薬である

彼女の乳がん細胞の表面には、ヒト上皮細胞増殖因子(HEF)と結びついて、がん細胞のエネルギー代謝を活発にさせ、分裂増殖を促進するとも言える受容体(ヒト上皮細胞増殖因子受容体 HEFR 略してHER)が中等度存在(発現)していた。そこでHERに対するモノクローナル抗体であるトラスツズマブを使用した。

ヒト上皮細胞増殖因子受容体に対するモノクローナル抗体とは?

モノクローナル抗体とは、簡単にいえば、ひとつの抗体産生細胞から分裂増殖したクローン(単一細胞由来細胞群)から得られた抗体のことである。抗原の一つのエピトープ(抗原決定基)に対する単一の抗体である。難しい内容だが、要は、ヒト上皮細胞増殖因子受容体と効率よく結びついてその受容体としての働きを阻害するということだ。

もちろん抗体分子は蛋白質(グロブリン)であるから分子量は十万以上になる。レセプターそれに対する抗体(トラスツズマブ=ハーセプチン)も、乳がん細胞の大きさに比べはるかに小さい。細胞が普通の顕微鏡で観察できるが、レセプターや抗体は電子顕微鏡レベルの話である。

それらの相互作用を模式化すれば次のようになる。

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20061028_002_1                          

転載禁止

理論と現実の効果のギャップは存在するのか?

理論上は上のシェーマのようになるはずである。しかし次のような単純な疑問が残る。

HER(レセプター)は、乳がん細胞の特異抗原ではない。ハーセプチンがHERに対してだけに結びつく抗体(特異抗体)であっても、結びつかれる方の抗原であるHERは乳がん細胞に限らない。正常細胞表面にも存在する(発現している)。

果たして、特異的に乳がん細胞だけに働くのか、深刻な副作用はないのか?

      、、続く