僕がプラセンタを使わない理由
胎盤を英語で「プラセンタ」中国語で「紫河車(しかしゃ)」という。
漢方の世界では、古来より肝、腎に働き、精を補い、血を養い、気を増すとされ、中華民族では、伝説的な人体由来の貴重薬である。
漢方医としては、「胎盤=紫河車」を使いこなさなければ、一人前とはいえないだろう。されど、僕は胎盤をいかなる目的にも使わないできた。
なぜそうしたのか?
現在の胎盤、或いは胎盤エキスと称される「日本国内で出回っている商品」に対して、嫌~なイメージがついて回ったからだ。
まず、出所(でどころ)がはっきりしない。本来、医療廃棄物として、厳格に処分されるはずの「胎盤」が、美容目的の商品として、なぜこんなにも沢山、横行しているのか?いったい、原料の胎盤はどこから来たのか?という疑問が、絶えず僕を悩ませてきた。
写真は、中国市場で販売されている「胎盤=紫河車」である。もちろん、出産時に廃棄されるべき胎盤が、何らかのルートで市場に出回ったものである。
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母体側(子宮壁側)胎盤 胎児側(臍帯へそのお)から見た胎盤
① 肝炎ビールスなどの検査が徹底されているのか?
② 狂牛病のプリオンなどの類蛋白病原体の検査は徹底されているのか?
③ ホルモン活性がチェックされているか?(ある種の性ホルモンは発がんのリスクファクターになる可能性があるので)
などの疑問が絶えず私を悩ませてきた。
最近、厚生省は「プラセンタエキス」を注射した人の献血を禁止した。
なぜか、僕はほっと胸をなで下ろした。
テレビショッピングでは毎週のように、「プラセンタ」商品のコマーシャルを目にする。されど、僕は 紫河車を使用せずの態度を貫いていくつもりだ。