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坂道の途中

2008-12-04 23:41:13 | Anime(アニメ・コミック)
■アニメ「CLANNAD ~AFTER STORY~」---第9話「坂道の途中」

岡崎朋也と古河渚---2人が光輝く坂道の下にて出会った瞬間より幕を開けた、光坂高校を舞台とする“学園編”の物語も、いよいよクライマックス。

前シリーズの半ばから、この「~AFTER STORY~」の開幕以降、すっかり忘れ去られていたかのような“渚の病気”が再発し、復学を祈る仲間たちの願いも叶わず、渚の留年が決定、朋也は自分の進路と、渚を置いて卒業してしまうことの狭間で思い悩むことに……果たして物語は此処から「CLANNAD」という作品の核心のひとつとも言える“人生”を描き出していく訳ですけど、舞台が光坂高校から離れてしまう為か、これまで取りこぼしていた「ボタンのぬいぐるみ」イベントやら、単独のストーリーとして消化されなかった幸村シナリオの一部を回収に来ましたね。
特に幸村シナリオは、春原(兄妹)シナリオの補完的な部分もありますし、原作でも卒業式当日に同様のイベントが発生するだけに、もはやタイミングは此処しかあり得ませんから。

ところで、勝(

それにしても他のヒロイン、サブキャラクターたちのほとんどが現状でも本編に絡んでいる分、より仲間や絆といった部分が強調されると共に、それが朋也と渚の積み重ねて来た日々と重なって、原作以上に内容的な密度が増していますね。
このあたりがアニメ版の優位性ではありますが、渚の誕生日会に一同に集まる仲間たちの姿は、さしずめ京アニ版「Kanon」の最終話にて、あゆの病室にかけつける面々を彷彿と(

これとは逆に、渚が休学して以降の朋也の高校生活が、ただ坦々とモノローグにて消化されていく点は、反面的な効果を生み出しているかと思われ。
果たして前シリーズ第17話「不在の空間」とは状況が異なっている=既に渚と朋也の恋人関係が確立しているだけに、朋也の中の渚という存在の大きさ、そして渚と一緒に過ごす時間が、どれだけ高校生活を色鮮やかに彩っていたのかを強調する結果になっていますからね。
そうして原作以上に積み重ねて来た時間、渚の存在の大きさが相俟って、卒業式を終えて古河家へと戻って来た朋也と、それを出迎えた渚のやり取りには本気で涙腺が弛みましたよ…。

これにて物語は、ひと先ずの区切りに。
もっともサブタイトルの「坂道の途中」が示す意味、そしてその区切りは“学園編”の幕引きであるところからして、まだまだ「CLANNAD」という作品の本質---“アフターストーリー”の物語は、これからが本番。

次回---第10話「始まりの季節」