永野宏三のデザイン館&童画館  アート日和のできごと

イスラエル国立美術館、ミュンヘン国立応用美術館、国立国会図書館、武蔵野美術大学美術館図書館他に永野宏三の主な作品が収蔵。

回帰して進化する世界。

2010-06-19 05:58:58 | アート・文化
このところ夜はほとんど本の資料整理をしている。時間を忘れて深夜に及ぶこともある。特にマンガの本は朝ドラの『ゲゲゲの女房』せいか、ぼくの生まれつき指向からくる蒐集癖で記憶がムクムクと蘇り、子どものころから20代にかけて集めたコレクションを思い出して引張りだしている。今でも情報があると、収集しておかなくてはとぼくのアンテナに引っ掛ったものを取り寄せることがある。
収納庫のダンボールを開けたら、懐かしい“青林堂”ものや“北冬書房”ものが出てきた。これらのマンガを文学の領域に持ち上げた出版社である。
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水木しげるさんの貴重な30代の作品も出てきた。昭和57年に東考社・桜井文庫から発刊された復刻版だ。『新雪物語』『妖棋死人帳』『怪談かえり船』『怪奇鮮血の目』の四冊。何れも怪奇もの。時代もの3冊と現代もの一冊。水木さん30代後半の作品だから、連日の朝ドラのストーリーからすると水木さんがご結婚される前の作品と思われる。奥付けの読者との交流ページが面白い。ストーリーの作り方などの解説がしてあったり、ご自身の趣味には「なまけることです」と書いてあったりする。ほんわかとユーモアが本から滲み出ている。
現代日本では、ネットや新聞や情報誌の広告やTVのコマーシャルなどで、新しい機能の車やテレビや、インスタント食品などあっても無くてもいいような日常生活で困らない物をおびただしく一方的に毎日情報を送ってくる。普通に日常的な生活を送っていると、なければ絶対に困るものは水と火と新鮮な食べ物の至ってシンプルの領域のものであると思う。でもそれに付け加えると水木さんのマンガや前述のマンガは子どものころから、ぼくにとっては好事的、精神的に必要なものだったような気がする。












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梅雨の間の雨上がり。〈C〉永野宏三