動物霊園グリーンメモリアルのブログ

「いとしい子たちよ安らかに」

通りを眺めて

2018年10月26日 | 可愛い子とご家族のお話
そろそろ秋の気配を感じる10月の晴れ間、これまで何度も火葬を依頼された方が先代の子の忌明けと同じ年齢で夕べ亡くなったワンちゃんを連れて来園されました。
斎場でお別れの後、ご主人がこれまでのいきさつを話して下さいました。
先代の犬が死んでから数日後、惜別の涙も乾かぬ間に自宅兼勤務する敷地のすぐ脇の森で生後一年と満たぬ今回のワンちゃんと出会いました。
その姿はまだあどけなく成りは大きくとも仕草は仔犬然としており、人の挙動に怖がる様子でした。
「あっ、こりゃ人に叩かれてたんだなっ!」
ご主人は犬との生活の経験から推察し、ともかく不用意に徘徊し交通事故に遭わぬよう先代が残した鎖で繋いで保護、明らかに捨て犬状態でいるので所轄の警察に連絡相談しました。
話の結果、動物保護センターに連れて行くか現れるはずのない元の飼い主が引取にくるかの2択と答えは分かっていたものの自分の方針も定まらぬまま時が経ちます。
勤務地の入り口では、それでも元の飼い主が迎えに来るのではなかろうかと犬は通り行く人や自動車を首を振り眺め、見覚えのある車両や面影を見つけると門を飛び越え運転者に怒鳴られ、中には石を投げつられた事もありしょんぼりした姿が忘れられなかったそうです。
それ以来、元の飼主などどうでも良い存在とし十数年の苦楽を共に今日に至りました。
斎場では一度決めた事、口に出した事をやり遂げる事を信条とするご主人は前日に目を落とした子のお別れをなさっておりました。




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