動物霊園グリーンメモリアルのブログ

「いとしい子たちよ安らかに」

通信紙 第82号

2015年12月31日 | 通信紙版バックナンバー
平成28年 1月

今年の干支、申(猿)にちなんだ昔話です。


子ザルのまつ
 むかし、松代町(まつしろちょう)と言うところに、徳嵩源五郎(とくたかげんごろう)と言う腕の良い彫り物師が住んでいました。 ある日、源五郎は山でサルの親子を見つけました。 母ザルは猟師に鉄砲で撃たれたのか、背中から血を流して死んでいましたが、そのふところには生まれたばかりの子ザルが、母ザルのおっぱいを探して手足を動かしています。
「なんと、可哀想に」。哀れに思った源五郎は、さっそく子ザルを抱くと家に連れて帰りました。 そして源五郎夫婦は子ザルに『まつ』と言う名前を付けて、我が子同様に可愛がったのです。 まつはとてもかしこいサルで、源五郎が踊りや芸を教えると、それは上手にやってみせるのです。 そしてまつの話は評判になって、やがては松代(まつしろ)の殿さまの耳にまで届きました。殿さまはさっそく、源五郎とまつを呼び寄せました。まつは源五郎の合図に合わせて、
逆立ちや宙返りの芸を見せました。、「これは見事。見事だ」  殿さまは、大喜びです。
 そしてまつの芸を見終わった殿さまは、源五郎に言いました。
「源五郎よ。金なら、いくらでも出そう。だからサルをゆずってくれ」
「えっ、まつを?」 これには、源五郎も困ってしまいました。 たとえ殿さまの命令でも、まつは我が子同様に可愛がっているサルです。(よわったな) 何と返事をしたら良いかと迷っていると、源五郎のそばに座っていたまつが、とつぜん殿さまの前に進み出て、ていねいに両手をつくと、『そればかりは、ごかんべんを』と、言う様に、何度もおじぎをしたのです。 これを見た殿さまは、とても心を打たれて、「よいよい、今の言葉は取り消しじゃ。
だがその代わり、時々城へ遊びに来るのじゃぞ」と、やさしく言いました。
 こうして源五郎夫婦とまつは、それからも仲良く幸せに暮らしました。
 今でもまつのお墓は、松代町大信寺にある徳嵩家の墓地に残っているそうです。
おしまい


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キャンピングカー
冬の入口、晴れ渡った日曜日に年季の入ったキャンピングカーがディーゼルエンジンの音と共に駐車場に入場しました。
フロントガラス越しから運転席と助手席からは久しぶりの笑顔が見えます。
乗車されているご夫妻は数十年前から当霊園の個別墓地を所有され、数年前のご主人の定年退職を境に千葉の自宅を息子夫婦に任せ北海道での余生を過ごしております。
夕べ現在のお住まいである北海道からフェリーで神奈川の上陸し今朝方、千葉市に到着しました。今回の長距離ドライブの目的の一つには数年前に亡くなったワンちゃんと猫さんのお骨をお墓に納骨する事があり旅路の足を当霊園に向けました。
運転席からキャビンへ移ったご主人が骨壺の入ったコンテナを取り出し奥様とお墓へ歩き出し昨日の事の様に思い出話をはじめました。
お骨になった猫さんとワンちゃんはご夫妻がお仕事で滞在した長崎県の国立公園で同時に保護したそうで、生前はこのキャンピングカーでどこへでも一緒に旅行をしたのです。
最後のドライブとなり墓前で手を合わしたご夫妻はロードマップとカーナビで座標と方角の確認作業をして一般道を使い進路を東へ、津軽海峡を目指しました。


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