きょうはマニアっぽい話。
かつてジャンクのトランシーバを手に入れ,手入れしたら動作するようになったことをお話しした。覚えておられるだろうか?そのトランシーバ,ジャンクとして手に入れたのだから思い切り改造して楽しむことにした。
本来は送信出力10W(ワット)の仕様だが,前の持ち主(?)によって100Wに改造されていた。10Wだと終段真空管(送信管)は1本だが,100Wとなると2本になる。そこで,1本取り外してまず50Wにした。専門外の人は「何だ,真空管を1本抜いただけじゃないか?」と思うだろうが,事はそんなに簡単ではない。
とにかく,送信管を1本抜いて50Wにした。
つぎは,送信管に印加する電圧をほぼ半分にして10W化を狙った。これはかなり厄介な作業であったが何とかうまくいった。冷却ファンは不要なので取り外した。
ところが,送信出力を実測すると25Wほど出ている。構成としては,大まかにつぎのようになっていたようである:
①送信管1本,印加電圧400Vで送信出力25W
②送信管1本,印加電圧800Vで送信出力50W
③送信管2本,印加電圧800Vで送信出力100W
つまり,倍倍になっているのである。
そこで,出力を10Wにするため送信管の抑制格子に印加する電圧を加減した。試行錯誤の結果,100kΩの可変抵抗を使うことにより,1Wから10Wまで連続的に変えることができるようになった。ただし,その可変抵抗をどのように組み込むかが問題である。
ところで,送信管を1本にしてから気になっていたことがある。ヒータ抵抗の発熱が激しく,その抵抗の周辺の部品,特にコンデンサに悪い影響を与えるのではなかろうかということである。
この無線機は本来100W,すなわち送信管2本用に設計されており,10Wにするために送信管を1本抜くとその代りにヒータの代用としての抵抗が接続されるのである。下の写真をご覧いただきたい。
件の抵抗器を赤の楕円で囲んで示す。一般にはセメント抵抗と呼ばれている。発熱のため変色しているのがお分かり頂けるであろうか?この抵抗の近傍には熱に敏感なコンデンサが実装されている。
検討の結果,取り外した送信管の跡地(空間)に移設することにした。下の写真をご覧いただきたい。問題のセメント抵抗を移設したところである。
赤い円で囲まれたセメント抵抗は最初に示した写真に出ているものと同一のものである。これで熱的には安心して使えることになった。
ところで,このヒータ抵抗(これはわたしの呼び方であって,一般的にこう呼ぶかどうか疑問)であるが,エネルギー的,熱的にはまったく無駄で厄介なことなのであるが,一ついいことに気づいた。というのは,ヒータとかフィラメントとかいうものは冷たいときは抵抗が低く,定格電圧が印加されて定常状態になったときの約10分の1である。つまり,電源を投入したとき短時間であるが定格電流の10倍の電流が流れるのである。白熱電球がよく電源投入時に切れたことを記憶している人も多いだろう。10倍の電流が問題なのである。
ところが,この送信機の場合,ヒータに直列に抵抗が入っているので電源投入時はこの抵抗で電流が抑えられる。よって,10倍の電流は流れない。また,真空管の方もヒータにかかる電圧が徐々に上がるので切れる確率が非常に低くなろうというものである。
話が変な方に飛んで行ったが,ヒータ抵抗の移設は以上で終わり。
始めの方でお話しした「出力電力を連続的に変えるための可変抵抗」の取り付け場所についてはいろいろ検討したが,前面パネルのRITと呼ばれる機能を操作する可変抵抗と入れ替えることにした。
また,そのRITのON/OFFスイッチが不要になるので,そこに電鍵のジャックを移設しようと思う。(電鍵ジャックは背面にあり,抜き差しが非常に困難。)
下の写真をご覧いただきたい。
赤円で囲んだのがRITの可変抵抗。青円で囲んだのがRITのON/OFFスイッチである。電鍵ジャックは本来緑の楕円で囲んだ場所にしたいのであるが,どうもここは空間的余裕がない。
かつてジャンクのトランシーバを手に入れ,手入れしたら動作するようになったことをお話しした。覚えておられるだろうか?そのトランシーバ,ジャンクとして手に入れたのだから思い切り改造して楽しむことにした。
本来は送信出力10W(ワット)の仕様だが,前の持ち主(?)によって100Wに改造されていた。10Wだと終段真空管(送信管)は1本だが,100Wとなると2本になる。そこで,1本取り外してまず50Wにした。専門外の人は「何だ,真空管を1本抜いただけじゃないか?」と思うだろうが,事はそんなに簡単ではない。
とにかく,送信管を1本抜いて50Wにした。
つぎは,送信管に印加する電圧をほぼ半分にして10W化を狙った。これはかなり厄介な作業であったが何とかうまくいった。冷却ファンは不要なので取り外した。
ところが,送信出力を実測すると25Wほど出ている。構成としては,大まかにつぎのようになっていたようである:
①送信管1本,印加電圧400Vで送信出力25W
②送信管1本,印加電圧800Vで送信出力50W
③送信管2本,印加電圧800Vで送信出力100W
つまり,倍倍になっているのである。
そこで,出力を10Wにするため送信管の抑制格子に印加する電圧を加減した。試行錯誤の結果,100kΩの可変抵抗を使うことにより,1Wから10Wまで連続的に変えることができるようになった。ただし,その可変抵抗をどのように組み込むかが問題である。
ところで,送信管を1本にしてから気になっていたことがある。ヒータ抵抗の発熱が激しく,その抵抗の周辺の部品,特にコンデンサに悪い影響を与えるのではなかろうかということである。
この無線機は本来100W,すなわち送信管2本用に設計されており,10Wにするために送信管を1本抜くとその代りにヒータの代用としての抵抗が接続されるのである。下の写真をご覧いただきたい。
件の抵抗器を赤の楕円で囲んで示す。一般にはセメント抵抗と呼ばれている。発熱のため変色しているのがお分かり頂けるであろうか?この抵抗の近傍には熱に敏感なコンデンサが実装されている。
検討の結果,取り外した送信管の跡地(空間)に移設することにした。下の写真をご覧いただきたい。問題のセメント抵抗を移設したところである。
赤い円で囲まれたセメント抵抗は最初に示した写真に出ているものと同一のものである。これで熱的には安心して使えることになった。
ところで,このヒータ抵抗(これはわたしの呼び方であって,一般的にこう呼ぶかどうか疑問)であるが,エネルギー的,熱的にはまったく無駄で厄介なことなのであるが,一ついいことに気づいた。というのは,ヒータとかフィラメントとかいうものは冷たいときは抵抗が低く,定格電圧が印加されて定常状態になったときの約10分の1である。つまり,電源を投入したとき短時間であるが定格電流の10倍の電流が流れるのである。白熱電球がよく電源投入時に切れたことを記憶している人も多いだろう。10倍の電流が問題なのである。
ところが,この送信機の場合,ヒータに直列に抵抗が入っているので電源投入時はこの抵抗で電流が抑えられる。よって,10倍の電流は流れない。また,真空管の方もヒータにかかる電圧が徐々に上がるので切れる確率が非常に低くなろうというものである。
話が変な方に飛んで行ったが,ヒータ抵抗の移設は以上で終わり。
始めの方でお話しした「出力電力を連続的に変えるための可変抵抗」の取り付け場所についてはいろいろ検討したが,前面パネルのRITと呼ばれる機能を操作する可変抵抗と入れ替えることにした。
また,そのRITのON/OFFスイッチが不要になるので,そこに電鍵のジャックを移設しようと思う。(電鍵ジャックは背面にあり,抜き差しが非常に困難。)
下の写真をご覧いただきたい。
赤円で囲んだのがRITの可変抵抗。青円で囲んだのがRITのON/OFFスイッチである。電鍵ジャックは本来緑の楕円で囲んだ場所にしたいのであるが,どうもここは空間的余裕がない。
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