三昧日記

小心者川筋男の後悔日誌

時計の中に時計

2023-04-05 12:59:07 | 日記
部屋を片付けていたら,すみのほうに掛け時計(柱時計)が数台ほこりをかぶっていました。その1台を取り出すと,文字板が外れて中身が丸見えでした。この文字盤というのが紙に印刷したものでそれを馬糞紙(今は「ボール紙」と言いますか?)に張り付けたもの。印刷もどうも複写らしく,誰かが修理したようでした。
――思い出しました。数年前,この文字板を綺麗に作り直そうとしてそのまま放置していたのです。

ほこりを払って壁にかけてみました。振り子がないので,というか取付け不可能な振り子が付属していましたので,取り敢えず懐中時計を引っ掛けてみました。

動きます。時報も鳴ります。ねじ巻きも揃っています。これも何かの縁。修理することにしました。

まず,木製の外枠がばらけそうになっていたので木工ボンドで接着しました。長時間手で締め付けるわけにもいかず,手持ちのシャコマンもサイズが合いません。そこで,

自転車のチューブで縛り付けました。一晩この状態。

一方,文字板は結局現状品を利用して蘇らせることにしました。印刷(コピー)された紙を馬糞紙からはがし,新たにきれいな厚紙に貼りなおしました。指針の穴と2つのゼンマイを巻くための穴をあけます。
このとき新たな知見を得ました。上記の3つの穴は正三角形をなしていて(ここまでは既知),その間隔は斜辺・底辺それぞれ5cm・8cmでした。すると,頂点から底辺に垂線を引いたらその長さは3cmになり,両側の三角形は3対4対5の直角三角形になります。3対4対5の直角三角形は有名ですね。メーカも何かと作りやすいようにこの寸法を選んだのでしょう。

話がそれましたが,そうやって作り直した文字板を取り付けました。

まあ,何とか時計らしくなりました。
最初の振り子(懐中時計)はちょっと長すぎるようで,少し小さいものと取り替えました。まさに「時計の中に時計あり」といった感じです。


ところで,この時計のメーカはどこでしょう?
文字板には地球の上に鶏が乗った商標が描かれています。インターネットで調べたところ,佐藤時計だそうです。しかし,そもそもこの商標が最初からついていたものかどうか分かりません。その証拠に付属していたねじ巻きは

で,これにはAKと刻印されています。栄計舎ですね。文字と食い違っています。
振り子室の中には
Eight Days (?)
OCTAGON PENDULUM
CLOCKS
MANUFACTURED BY THE
とありますが,肝心のその下の文字が読めません。
結局,分からずじまい。

余談ですが,わたしが子供のころ馬糞紙(ばふんし)と呼んでいた厚紙は,その後ボール紙と呼ばれるようになりました。でも,なぜボールなのか分かりませんでした。スポーツに使うボールとは関係ないように思えるし,料理に使うボウルとも接点がなさそうです。
今回気になって国語辞典で調べたところ,board(のなまり)だそうです。
以上