三昧日記

小心者川筋男の後悔日誌

柱時計修理譚

2021-12-26 08:28:19 | 日記
知人から柱時計2台の修理を頼まれました。
持ち帰ってさっそく点検。1台は単なる油切れでした。注油して解決。
もう1台は頂部が半円形のかわいらしいものです。

壁にかけ,振り子をつけて振っても自力で動きません。ねじを巻こうと
しても空回り。いやな予感。
文字盤を外して内部(ムーブメント)を点検。心配していた爪は大丈夫
でした。

ゼンマイを巻くとき,歯車に逆転防止のための突起を当てています。こ
れをわたしは爪と呼んでいます。正式名称は知りません。ゼンマイを巻
くときカリカリと音がするのはこの爪をはじいているためです。ちょっ
と説明しにくいので読者も理解しにくいでしょう。
要するにこの爪が折れた場合逆転防止が機能しないため,ゼンマイを巻
き上げられません。また,(素人のわたしには)修理不可能。
原因はこの爪を歯車に押し付けるためのバネがなくなっているためでし
た。
さっそくピアノ線でばねを作りました。

まあ,見れば簡単なものです。これを爪の穴に通して固定しました。

上の写真の赤い矢印の先端にばねがあるのがお判りいただけますか?
(爪は金属の板棒に遮られて見えません。)
ゼンマイを巻き上げることができるようになりました。ついでに要所要
所に注油。軽快に動き出しました。
なお,ムーブメントを固定するねじが数本抜けていました。本来ならこ
れも修復したいところですが,今回はやめました。というのは,このよ
うな古い機械は一つ手を入れたら別の場所が壊れ,また手を入れたらま
た壊れるといった果てしない物語に陥りかねないからです。
とにかく1件落着しました。
以上