いつものように前回記事の訂正から。
誤: 蛇が卵を飲んだような
正: 蛇が卵を呑んだような
「飲」むという字は液体を対象にしたもので,今回の場合は不適当でしょう。
卵は液体ではないので「呑」むをあてるべきでした。
さて,今回は無線機の話です。
最近FT-7という古い無線機を手に入れました。まずはその外観をご覧くださ
い。
なかなか個性的で格好がいいですね。車載用に設計されたもので全半導体方
式です。つまり,真空管を1本も使っていないということです。電源は直流
13.5V,送信出力は10Wです。
電源を投入したところ,受信は一応機能しているようです。ただし,スピー
カからは音が出ません。ヘッドホンではOKですので単純にスピーカまわりの
不良でしょう。
重要なのは送信できないことです。送信操作をすると電源が遮断されてしま
います。どうも内部で電源短絡しているようです。動きを詳細に検討すると,
送信のための切り換えリレーは働いているようです。しかし,その直後ダウ
ンします。その現象を頼りに回路上で検討すると,問題となりそうなところ
が2か所見つかりました。いずれもリレーコイルのフライホイールダイオー
ドです。下の回路図をご覧ください。
送信操作をすると,左上の赤〇で囲んだリレーが働きます。すると,接点が
切り換わって13.5Vが送信回路の方に供給されます。この直後に電源短絡が
生じていると推定したのです。その原因として,上の回路図の中央部分にあ
るリレーのコイルに並列に接続されているダイオード(赤の楕円で囲んでい
る)が故障してショートモードになっている可能性が考えられます。
上蓋を開けてみました。
小さなプリント基板がびっしりおさめられています。問題のリレー(ダイオ
ード)が載っている基板は左の列の一番手前にあります。引き出しました。
上の写真で,右下のところにリレーと小さなダイオードが認められます。テ
スターで調べたところほぼ短絡状態でした。運良く一発で不良部品が見つか
りました。さっそく交換。送信OK。
しかし,送信出力が4W程度しかありません。しかも周波数がかなりずれてい
ます。無線機テスターの画面をご覧ください。
赤い矢印の左側が送信出力,右側が周波数偏差です。
まあ,それでも一応送信できるようになったのは大きな前進です。
今度はスピーカ周りの修理です。
スピーカは本体の底蓋の内部に置かれていますのでまずは底蓋を外して見ま
した。
薄汚れたスポンジで覆われています。スピーカの端子をテスターで調べたと
ころ,抵抗値は無限大です。つまり,ボイスコイルの断線です。これは交換
するしか手がありません。
スピーカの仕様は4Ω3Wです。なぜか車載用のスピーカは4Ωなのですね。手
許には置き換え可能なピッタリの物はありません。仕方がないので取り付け
寸法の同じものを選択しました。ただし,インピーダンスは40Ωです。「そ
んなものあるのか?」と疑ってテスターで調べたらやはり40Ωでした。「ま
いっか?」ということで代用品に採用して取り付けました。
結果は上々。スピーカから音が出るようになりました。ヘッドホンを使う必
要がなくなりましたので今後の作業がはかどります。
続きはまたご報告いたします。
以上
誤: 蛇が卵を飲んだような
正: 蛇が卵を呑んだような
「飲」むという字は液体を対象にしたもので,今回の場合は不適当でしょう。
卵は液体ではないので「呑」むをあてるべきでした。
さて,今回は無線機の話です。
最近FT-7という古い無線機を手に入れました。まずはその外観をご覧くださ
い。
なかなか個性的で格好がいいですね。車載用に設計されたもので全半導体方
式です。つまり,真空管を1本も使っていないということです。電源は直流
13.5V,送信出力は10Wです。
電源を投入したところ,受信は一応機能しているようです。ただし,スピー
カからは音が出ません。ヘッドホンではOKですので単純にスピーカまわりの
不良でしょう。
重要なのは送信できないことです。送信操作をすると電源が遮断されてしま
います。どうも内部で電源短絡しているようです。動きを詳細に検討すると,
送信のための切り換えリレーは働いているようです。しかし,その直後ダウ
ンします。その現象を頼りに回路上で検討すると,問題となりそうなところ
が2か所見つかりました。いずれもリレーコイルのフライホイールダイオー
ドです。下の回路図をご覧ください。
送信操作をすると,左上の赤〇で囲んだリレーが働きます。すると,接点が
切り換わって13.5Vが送信回路の方に供給されます。この直後に電源短絡が
生じていると推定したのです。その原因として,上の回路図の中央部分にあ
るリレーのコイルに並列に接続されているダイオード(赤の楕円で囲んでい
る)が故障してショートモードになっている可能性が考えられます。
上蓋を開けてみました。
小さなプリント基板がびっしりおさめられています。問題のリレー(ダイオ
ード)が載っている基板は左の列の一番手前にあります。引き出しました。
上の写真で,右下のところにリレーと小さなダイオードが認められます。テ
スターで調べたところほぼ短絡状態でした。運良く一発で不良部品が見つか
りました。さっそく交換。送信OK。
しかし,送信出力が4W程度しかありません。しかも周波数がかなりずれてい
ます。無線機テスターの画面をご覧ください。
赤い矢印の左側が送信出力,右側が周波数偏差です。
まあ,それでも一応送信できるようになったのは大きな前進です。
今度はスピーカ周りの修理です。
スピーカは本体の底蓋の内部に置かれていますのでまずは底蓋を外して見ま
した。
薄汚れたスポンジで覆われています。スピーカの端子をテスターで調べたと
ころ,抵抗値は無限大です。つまり,ボイスコイルの断線です。これは交換
するしか手がありません。
スピーカの仕様は4Ω3Wです。なぜか車載用のスピーカは4Ωなのですね。手
許には置き換え可能なピッタリの物はありません。仕方がないので取り付け
寸法の同じものを選択しました。ただし,インピーダンスは40Ωです。「そ
んなものあるのか?」と疑ってテスターで調べたらやはり40Ωでした。「ま
いっか?」ということで代用品に採用して取り付けました。
結果は上々。スピーカから音が出るようになりました。ヘッドホンを使う必
要がなくなりましたので今後の作業がはかどります。
続きはまたご報告いたします。
以上