やむやむやみー

やみーのやむやむな毎日

つながり読書  136「かもめ食堂」 群ようこ

2019-01-28 18:20:37 | ヨムヨム ネタバレチュウイ!!!
映画化されたのがよく分かる。

文章の量は多くないのに、その空気感を味わう材料に

物足りなさを感じることはない。

フィンランドの白くて丸っこいかもめの愛らしさ、

トンミくんの変な日本語のイントネーション、

リーサおばさんのにらむ顔、

などなど、彼らの住む世界のすぐそばに読者がいられるような

安心感がある。



私の好きな文章。

リーサおばさんがハゲた旦那に裏切られた話を泣きながら

告白するところで、亡くなった愛犬の写真を見せるのだが、

「寝室のチェストの上にいかにも駄犬といった風体の、にくめない顔立ちのイヌの

 写真が、写真スタンドに入れられてたくさん飾ってあった。」



笑える。「駄犬」が見えるようだ。

舌をベロンと出して笑っているような、困っているような顔をしている犬が。