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やむやむやみー

やみーのやむやむな毎日

つながり読書162 「医龍」 1~25 乃木坂太郎 (原案 永井明)

2020-08-06 17:47:00 | ヨムヨム ネタバレチュウイ!!!
 


医療・バチスタつながり。
あっという間の25冊。
そして読後、また1巻から読み直したい!
 
というのも、登場人物たちの成長や、心が揺れ動く様子が
激しいので、最初の印象をもう一度
「ああ〜こんなだったよなあ」と思い返したくて
うずうずしてしまうのだ。
 
もともと医療系の海外ドラマや小説は好きなのだが
ただ天才外科医の足跡を追うだけではない、ごちゃごちゃした
人間の多面体を見せてくれるのが、この作品の魅力だ。
 
そして時々気味悪いほどに描かれる、人間の「悪」がにじむ表情。
これが画力ってものなのか。
 
世代交代は家庭でも、仕事場でも、あらゆる場所で繰り広げられている。
 
「受け継ぐ」ということをあらためて考えさせられた。
 
 
 
 

つながり読書161 「チーム・バチスタの栄光」 海堂尊

2020-07-22 16:11:00 | ヨムヨム ネタバレチュウイ!!!




 



前回、薬学部出身の瀬名秀明に続き、

医大卒病理医歴17年の作家、海堂尊というつながり。

タイトルから、最初はスーパースター桐生くんの成功物語か?

と思ったら全然違った。

上巻で準備した素材が、下巻で白鳥という強烈キャラを加えることで

一気に開花した感じ。

表に出るべきところは出て、影番に徹するところはうまく人を使う、院長。

人間性を見抜く眼力があるのだと思う。

それにしてもこんなにオモシロイ人間模様を文章で

表現できるお医者さん・・・絶対、天から二物以上もらってますよね???



つながり読書160 「第九の日」 瀬名秀明

2020-03-17 21:31:01 | ヨムヨム ネタバレチュウイ!!!






伊坂幸太郎と同じ東北大出身の、瀬名秀明というつながり。


「ケンイチ」をつくった祐輔。

ロボットの心を育てることは、研究として成り立つか?

そんなテーマが始終見える作品。

思い出すのは攻殻機動隊のタチコマ。

彼らが自分たちで考えた末、命令に背くというストーリーがあった。


エヴァーヴィルの町のロボットたちのように

人間と同じことをしてひたすら学習しても

本当の痛みを得ることはできないと分かった彼らが

どういう方向に行くのか?


哲学的で難解な小説の中にも、私が刺激される部分があった。


小説のテーマからは外れるが

気になるセリフがあった。


「私たちが愛する者から聞きたいのは『はい、わかりました』『あなたのすべてを理解しました』
ではない。『もっとあなたのことを理解したい』だ・・・・・・」






つながり読書 159 「砂漠」 伊坂幸太郎

2020-02-10 21:26:02 | ヨムヨム ネタバレチュウイ!!!


島田荘司を「神様みたいに思ってきた」という伊坂幸太郎、という

つながり。

女子にだまされたことがきっかけで友人が腕を失ったり、

強盗犯に襲われたり、

到底ふつうの学生生活では起きない事件が起こっているにも関わらず

彼らが過ごした4年間になんとなくダラッした感じが漂うのは

やはり「大学生」という中途半端な段階にある若者の話だからなのかもしれない。



その中でも印象深いのが西嶋というキャラクター。


実際に友人だったらメンドーだけど、

活字にすると彼が何を考えているのかもっと知りたくなってしまう。



自分が彼らより若い年齢のときに読んでいれば

それぞれいろんな個性を持ちながらも共存を認めようとする

大学生の世界にちょっとあこがれたかもしれない。



つながり読書 158「UFO大通り」島田荘司

2020-01-20 17:03:00 | ヨムヨム ネタバレチュウイ!!!


御手洗シリーズつながり。

中編2作品。

御手洗シリーズ初心者だが
前回の作品より短い作品ということもあり、中身もライト。



本当にアナフィラキシーを恐れている人の行動としてはどうなのか、

いくら工事中の騒音でも、人間と電車が接触して誰にも気付かれないだろうか、

一人殺したあとで、もう一人自分のそばで死ぬような(死んだように見えても)事態が

起きたとき、あのような心境になれるか、

傘の持ち主は傘に名前や住所を書くタイプの人間だろうか、

落ちていたビニールの中身も確認せずに、それを持って

相手の女のところに乗り込むだろうか・・・



なーんてことを考え込まず

2時間ドラマを見るような感覚で読んだら

楽しいと思う。








つながり読書157 「ロシア幽霊軍艦事件」 島田荘司

2020-01-06 15:39:00 | ヨムヨム ネタバレチュウイ!!!



戦後、曽野綾子の父親が支配人をしていた富士屋ホテルつながり。


御手洗と石岡のコンビが謎解きをするシリーズ。

初めて読んだ者にもとっつきやすい設定で、

バックグランドを想像するのも楽しかった。


ずっとタブーとされていた写真が富士屋ホテルにある、

そこからロマノフ王朝のミステリーを軸にして壮大なストーリー展開。


身近な題材ではないのに、

ロシアの吹雪、箱根の嵐、アナスタシアの孤独、寝無里の腹立ち、平八さんの無念・・・

どれも迫るものがあり、違和感なく、ぐいぐい引き込まれた。







つながっていない読書 「記憶する体」 伊藤亜紗

2019-12-17 08:23:32 | ヨムヨム ネタバレチュウイ!!!









本当にこの方の視点はおもしろい。

「活字にする意味」を感じる本。

若いうちにこういう世界観を味わえたら、

人生の荒波も少し捉え方が違うかもしれない。

たとえ内容と同じ体を持っていなくても

思い通りにならないことはたくさんあるし、

いろんなことで傷つき、

いろんな痛みをみんな持っている。

そういうときの「工夫」こそが

アイデンティティをつくっている!と思う。




つながり読書156 「無名碑」 曽野綾子

2019-12-06 16:43:42 | ヨムヨム ネタバレチュウイ!!!









前回、朱門さんの奥様、つながり。

随筆しか読んだことがなかった曽野綾子の作品。

今回の読書で「小説家ってこういう人のことをいうのだな」と

しみじみ思った。


読後はエンディングの衝撃からしばらく立ち直れないのだが、

道をつくろう、ダムをつくろう、と大きな仕事を成し遂げようとする人間でさえ

結局は大きな流れに漂っているだけだ、小説から受け取ったそんな視点から

見渡すことで、だんだんなじんでくる。



精神に支障をきたした容子の感覚の描写は

ゾッとした。

「自分はおかしいのではないか?」と

問うことさえできなくなったときの暴走。

人間の精神の複雑さを感じずにはいられない。















つながり読書 155「老いは怖くない」 三浦朱門

2019-10-09 21:09:23 | ヨムヨム ネタバレチュウイ!!!


老人つながり。

タイトルを頭に置きながら読むと「?」と思う

つながりの薄い内容もある。しかもあとがきで

自分の行く末を「心細い」と言っているのには

ギャグか?と思ってしまった。


☆「今日を精一杯に生きていれば、
  とても明日を思いわずらっている暇は
  ないのである。」

そうだと思う。
特に昔は3食食べる用意だけでも大変な
時間がかかっただろう。
便利さが生む時間は、老人にとっては
逆効果なのかもしれない。




つながり読書 154「楢山節考」 深沢七郎

2019-09-20 20:22:05 | ヨムヨム ネタバレチュウイ!!!


前回作品中に登場のつながり。

たしか何かの病気の発作で何度も死を覚悟した深沢七郎。


収まっている短編4つ、どれも毛色が違うので
ほんとに同じ人が書いてるの?という感じ。
後半2つは、不可解。


目当ての「楢山節考」は想像通り。


自分の歯をどれだけ残せるか、に
重点を置く現代。
おりんさんが自分の歯を砕くシーンは衝撃だが、
時代背景が違うということが
これだけ価値観を変えてしまうという事実を
垣間見た気がした。