脱ケミカルデイズ

身の周りの化学物質を減らそうというブログです。 

金属アクセサリーのアレルギー原因物質

2012年05月31日 | 化学物質

朝日新聞2012年5月30日 アクセサリーご用心 アレルギー原因3金属含む恐れ

ネックレスやピアスに使われる特定の金属に気をつけて皮膚炎になった患者が身につけていた装飾品を調べたところ、ニッケルやコバルトなど3種類の金属がアレルギーの主な原因になっていたことが、厚生労働省研究班の調査でわかった。研究班が全国77カ所の病院で2010年度に皮膚炎を起こした約900人を対象に調査。このうち、身につけていた装飾品が原因で皮膚炎を起こした約30人について調べたところ、ネックレス(16%)、ベルトのバックル(9%)、ピアス(8%)の順に多かった。

これらの製品では、日本皮膚アレルギー・接触皮膚炎学会が日本人が反応しやすい物質として指定する「硫酸ニッケル」「塩化コバルト」「重クロム酸カリウム」を含んだものが大半を占めた。この3種類の金属物質は、装飾品の強度を増すためや価格を安くするためなどに添加されることが多い。日本ジュエリー協会では、装飾品に特に多いニッケルやコバルトが含まれる場合は購入者に注意喚起するよう呼びかけている。(森本未紀)

 

 

日本ジュエリー協会

http://www.jja.ne.jp/association/trouble/trouble04.html


異性化糖の問題点

2012年05月30日 | 食品

異性化糖という糖分があります。食品表示では、「ぶどう糖果糖液糖」という名でよく目にします。

 

朝日新聞2011年10月1日 「食品表示の「異性化糖」って何? 日本でできたお得な甘み」から趣旨を抜き書きしました。

・物を作っている材料の種類や数は同じでも、つなぎ方を変えたら別な物に変わる。

・果糖は果物やハチミツの成分。糖の中で最も甘みが強く、砂糖の2~5割増し。

・ぶどう糖は、材料の種類(炭素、水素、酸素)も数も果糖と同じだが、甘みが砂糖の7割。

・ぶどう糖からつなぎ方を変えて果糖にする。

・まずぶどう糖をつくり、その一部を果糖に変えて甘みを強める。

・ぶどう糖と果糖の比率により「ぶどう糖果糖液糖」「果糖ぶどう糖液糖」などがある。

・ガムシロップの成分は異性化糖と水。

・温度が40度以上なら砂糖、それ以下だと果糖の方が甘い。だからコーヒーのホットは砂糖、アイスはガムシロップを使う。

・異性化で果糖の比率を55%まで高めれば、砂糖なみの甘さになる。

・砂糖は異性化糖より3割高価。

・果糖も異性化糖からつくるので異性化糖より高価。

つまり異性化糖が一番安い。

・異性化糖はトウモロコシやイモから安く豊富にできるでんぷんから作る。

・1965年に日本が細菌の酵素を利用して、世界で初めて異性化糖の大量生産に成功した。

・業界団体は日本スターチ・糖化工業会

 

独禁法違反発覚

朝日新聞2012年1月31日 甘味料カルテルか 公取委加工10社立ち入り

清涼飲料水などに甘味料として幅広く使われる糖化製品の販売を巡り食品加工会社が価格カルテルを結んだ疑いが強まったとして、公正取引委員会は31日、独占禁止法違反(不当な取引制限)の疑いで加工会社10社に立ち入り検査した。うち9社が加盟する業界団体も立ち入り対象となった。

バイオ燃料で原料高騰

背景には、原材料となるトウモロコシが、穀物などから作る燃料のバイオエタノールの普及で世界的に価格が高騰したことがあり、各社は納入価格に転嫁しようとしたとみられる。関係者によると、立ち入り検査を受けているのは、東証一部上場の昭和産業(東京)と群栄化学工業(群馬)のほか、日本食品化工(東京)、日本コーンスターチ(同)、加藤化学(愛知)などの本社や関係先三十数カ所。

カルテルの対象となったのは、主にトウモロコシのでんぷんであるコーンスターチを使って製造される「異性化糖」という液状の糖。コーラや乳飲料、アイス、菓子など様々な飲料や食品で使われ、商品には「ぶどう糖果糖液糖」などと表示される。特に低温で甘みを感じさせる性質があるという。

市場規模は800億円以上で、この10社でシェアのほとんどを占めるという。関係者によると、各社は遅くとも数年前以降、大手清涼飲料メーカーや食品メーカーなど向けの販売で、異性化糖の値上げの時期や値上げ幅について話し合いで決めていた疑いがある。実際に、各社は値上げを実行していたとみられる。

こうした話し合いは業界団体の「日本スターチ・糖化工業会」(東京)で集まる機会を利用した可能性もあるといい、公取委は立ち入り検査で詳しく調べる。

カルテルの背景には、米国から主に輸入されるトウモロコシ価格の高騰があるとみられる。農林水産省などによると、国際的な指標とされる米シカゴ商品取引所での価格は2008年ごろに高騰。その後いったん下がったが、10年夏以降、再び上昇傾向になった。昨年6月には1トンあたり約310ドルと最高値を記録し、現在も06年秋ごろの2・9倍に当たる同約253ドルと高水準を維持しているという。米国でトウモロコシから作るバイオエタノールの需要増に伴い、在庫が減ったことなどが要因という。(田内康介)

 

「異性化糖」有害説

安部司『食品の裏側』東洋経済新報社には、次のように書かれています。

・ぶどう糖果糖液糖は血糖値を急激に上げる。

・砂糖(=蔗糖、ぶどう糖と果糖が1:1でくっついている)も血糖値を上げるが、砂糖は体内でぶどう糖と果糖の2つに分かれて吸収される。

・しかし、ぶどう糖果糖は最初からぶどう糖と果糖に分かれているため、あっという間に吸収されて血糖値が跳ね上がる。

・500ミリリットルのペットボトル飲料にはぶどう糖25グラム、果糖20グラム以上も入っている。これを特に空腹時に飲んだら、血糖値がどれだけ上がるか。糖尿病の引き金となりかねない。

・コメなどのでんぷんも体内でゆっくり分解されてぶどう糖に変わり、エネルギー源となる。それならば血糖値が急激に上がることはない。

・最初からぶどう糖に分解されたものを一気に飲むということは人間がこれまで体験したことのないこと。

・500ミリリットルのペットボトル飲料には砂糖50グラム相当のカロリー、200キロカロリーがはいっているので、カロリーの過剰摂取という問題もある。

 

さらに最近出版された、山岸昌一『老けたくなければファーストフードを食べるな』PHP新書によると、体内のタンパク質に糖がついたAGE(糖化物質)が、老化を促進することがわかってきたが、果糖は砂糖やぶどう糖よりこのAGE化を引き起こしやすいそうです。


ネイルアートは危険がいっぱい

2012年05月29日 | 化粧品

朝日新聞2012年5月21日 ネイルアートでキラキラ4 安全なサロン見極めて

ネイルアートについて、国民生活センターに寄せられた相談には次のようなものがある。〈2012年3月。20代女性〉美容室で爪に飾るネイルシールを貼ってもらった。はがすとき、爪の表面がはがれてボロボロになった。粘着力が強かった。〈09年3月。60代女性〉自宅でマニキュアを塗り、専用ライトに入れて乾かした。なかなか乾かないので何度も出し入れした。夜中に痛みが走り、病院に行ったらやけどと言われた。赤くなり水泡ができた。

センターはトラブルが増えてきた08年、つけ爪に関して注意を呼びかけている。当時、ネイルサロンでつけ爪をした人からは「自分の爪にかびがはえた」「指が腫れ、化膿した」などが寄せられた。ネイルアートは、爪に化学物質を塗り、取るときは溶剤で接着剤を溶かしたり、爪を削ったりするもの。知識が不十分なまま自分で施すことや、安全面の認識が薄いネイリストに任せるのは危険だ。

参考になるのはNPO法人・日本ネイリスト協会(東京都)が09年につくった衛生管理自主基準だ。施設や道具を清潔に保つことや、施術中に爪に異常を感じた場合は中止することなどを定めている。これにもとづく衛生管理士資格をとった人は現在1万8千人。協会は、資格者がいることに加え、賠償責任保険に入っているなどの案件が整っているサロンを認定しており、一覧表がホームページ(http://www.nail.or.jp/)にある。木村俊弥事務局長(51)は「安全・安心なサロンを見極める基準になる」と話す。

さて、最後に男性のネイルについて。近年は男性用のコースやサロンが増えてきた。新潟県燕市のネイルサロン「リュクス」では、メンズネイルケアのコースがあり、月に1度、男性のみが利用できる日もある。オーナーの池端真由子さんは「ケアをしているのは、会杜の経営者が多い。仕事のためという人も、リラックスのためという人もいます」。(石弁暖子)

爪を傷めないために  国民生活センターの資料をもとに作製

・つけ爪用の接着剤を使うときはかぶれや化学やけど、引火に注意

・自分で施術するときは衛生管理をしっかり。異常を感じたらすぐに受診を

・時々は爪を休ませる


遅れるPCB処理

2012年05月28日 | 化学物質

朝日新聞2012年5月18日PCB処理、7年遅延へ 環境省委報告書案 地元の反発必至

40年前に製造・使用が禁止された有害物質のポリ塩化ビフェニール(PCB)の廃棄物をめぐり、国などが進める無害化処理の完了が法令で定めた2016年から大幅にずれこみ、23年ごろとなることが、環境省の有識者委員会が18日に示す報告書案で分かった。全国5カ所の処理施設は地元住民が期限付きで建設を容認した経緯があり、住民らの反発は必至だ。

報告書案などによると、北九州市、愛知県豊田市、大阪市の施設の処理終了は18年度、北海道室蘭市と東京都が23年度になる見通し。PCB処理を全面委託された日本環境安全事業(JESCO)が試算した。環境省は報告書案の承認後、処理計画の改定を進める。

PCBは絶縁油などとして蓄電器(コンデンサー)や変圧器(トランス)に多く使われたが、漏れたPCBに汚染された魚などを食べた人の健康影響が問題になった。また、PCBが混入した植物油によるカネミ油症事件も発生、1972年に製造・使用が禁止された。廃棄方法が難しいため、工場などに保管する状態が続く一方、紛失や行方不明が続出。01年に16年までの処理を義務付けた特別措置法が制定され、04年にようやく処分が始まった。

しかし、昨年3月末時点で処理されたコンデンサーは対象の約33万台に対して約8万3千台、トランスも約1万8千台中約6200台。作業員がPCBを吸い込む恐れや、形状の違う容器の解体に時間を要することで作業に時間がかかり、微量の漏出事故などで操業が止まるなどのトラブルなども影響したという。

環境省産業廃棄物課は「処理期間を短縮したいが、簡単ではない。地元自治体や住民には精いっぱい取り組んでいることを説明し、理解を求めたい」としている。だが、施設の地元住民の一人は「約束を守らず、なし崩し的に操業が延びるのは納得できない」と批判する。(森治文)

 

朝日2012年5月19日 PCB廃棄物越境受け入れ環境省委報告書案

国などが進める有害物質ポリ塩化ビフェニール(PCB)廃棄物の処理のあり方を検討する環境省の有識者委員会は18日、処理の終了が当初予定から7年遅れて2023年になる見通しとする報告書案を公表した。全国に5カ所ある処理施設の地元との合意で決められている受け入れ区域を越境して廃棄物を持ち込むのを前提としており、地元の反対も予想される。

報告書案によると、原則通りの処理だと法令で定めた!6年に終えるのは困難で、施設によっては36~37年までかかり、28年までのPCB全廃を求めた国際条約にも抵触する。終了を前倒しするため、廃棄物の越境を容認した。

処理を委託されている日本環境安全事業では、比較的余裕のある施設に廃棄物の一部を回すなどして処理期間を圧縮した工程表を作成。委員会も同杜の方針を支持したが、報告書案はPCBの漏出などに対する住民の懸念を考慮し、「地元の理解を得ることに努めることが必要」とした。

さらに報告書案では、未確認のPCB廃棄物が今後見つかり、処理量が増える恐れもあるとして、23年からさらに2年ほどの余裕をみるべきだと提言した。環境省は7月ごろまとまる報告書を受けて地元住民らと話し合いを重ね、年内には処理計画を改定したい考えだ。PCBは、禁止された1972年までに製造された蓄電器(コンデンサー)や変圧器(トランス)の中に主に入っている。(森治文)


アスベスト大気汚染調査と飛散防止法改正

2012年05月27日 | アスベスト

朝日新聞2012年5月16日 石綿飛散防止 法改正へ 環境省濃度測定を義務化

 

解体工事現場でアスベスト(石綿)が飛散する問題が東日本大震災の被災地など全国で生じていることから、環境省は大気汚染防止法を改正し、ずさんな工事への監視を強める方針を固めた。来年の通常国会に改正法案の提出を目指す。現場への立ち入り検査を強化し、アスベスト濃度測定を業者に義務づける対策が柱になる。

アスベストを含む建物の解体や改修時には、自治体への事前の届け出や、現場をシートで覆うなどの飛散防止策をとることが、大気汚染防止法で義務づけられている。だが、コスト削減や作業短縮のため、こうした手続きや対策をとらない業者も少なくないとみられ、規制強化を求める声が自治体などから出ていた。

国や自治体は現在、届け出があった業者の現揚にしか立ち入り検査をする権限がない。そのため、アスベスト使用の有無を事前調査せず、届け出を怠っている工事現場には立ち入れない、という課題があった。法改正で、届け出の有無を問わず立ち入れるように権限を拡大する。さらに、工事現揚周辺でのアスベスト濃度の測定を、ビルなどの解体・改修業者に義務づける方針。測定結果を評価するための新たな基準作りにも取り組む。

アスベストの飛散は長年懸案だったが、被災地でも課題となっている。仙台市では昨年11月、被災して閉鎖されたホテルで、業者がアスベストの除去をしないまま解体を進め、世界保健機関(WHO)が定めた基準の36倍というアスベストが周辺に飛散していることが市の調査で確認された。環境省調査では、東日本大震災で被害を受けた8県の工場やビルなど20カ所の解・改修現場のうち、宮城、茨城、栃木の3県の4カ所で飛散が確認されている。同省は18日、中央環境審議会大気環境部会で法改正について意見を求める。6月にも専門家の会合を立ち上げて検討を始める方針だ。(岩井建樹)

アスベスト(石綿) 繊維状の天然鉱物で熱や摩擦に強く、1960~80年代を中心に、断熟材などとして広く使用された。粉じんを吸い込むと中皮腫や肺がんなどを発症する恐れがあり、数十年という潜伏期間の長さから「静かな時限爆弾」と呼ばれる。2005年、兵庫県にある大手機械メーカー・クボタ工場の元従業員や周辺住民に健康被害が多発していることが判明。国は06年、周辺住民らを救済する石綿健康被害救済法を制定した。

 

環境省2012年5月15日 平成23年度アスベスト大気濃度調査結果について(お知らせ)

http://www.env.go.jp/press/press.php?serial=15230

 石綿による大気汚染の現状を把握し、今後の対策の検討に当たっての基礎資料とするとともに、国民に対し情報提供していくため、大気中の石綿濃度の測定を平成17年度より毎年実施しています。今般、平成23年度の測定結果を取りまとめました。
 平成23年度は全国54地点、161箇所を対象に測定を行いましたが、石綿以外の繊維も含む総繊維は特に高い濃度は見られませんでした。
 なお、引き続き石綿による大気汚染の状況を把握するため、平成24年度も大気環境モニタリングを行う予定です。