脱ケミカルデイズ

身の周りの化学物質を減らそうというブログです。 

建材メーカーの責任、初めて認定 京都地裁判決

2016年01月30日 | アスベスト

毎日新聞2016129日 1544
建材メーカーの責任、初めて認定 京都地裁判決
http://mainichi.jp/articles/20160129/k00/00e/040/280000c

 

 建設作業中にアスベスト(石綿)を吸い込み健康被害を受けたとして、京都府内の元建設作業員や遺族ら27人が、国と建材メーカーに計約10億円の損害賠償を求めた訴訟で、京都地裁(比嘉一美裁判長)は29日、国と建材メーカー9社に対し、総額約2億1600万円の支払いを命じる判決を言い渡した。メーカーの責任を認めたのは初めてで、労働関係法令の保護対象ではない「一人親方」といわれる個人事業主の救済につながる司法判断となった。

 判決は▽国が原告15人に計約1億400万円▽メーカー9社(原告ごとに企業は異なる)が原告23人に計約1億1200万円−−を支払うよう命じた。建設アスベストの集団訴訟の判決は5件目。国の責任を認めた判決は、2012年の東京地裁、14年の福岡地裁、今月22日にあった大阪地裁に続き4件目。

 比嘉裁判長は、メーカーと国は1971年には、石綿が含まれた建材を建設現場で使用することで、労働者に肺がんなどの病気が発症することを予見できたと指摘。メーカーが製造販売にあたって警告表示をしなかったことを「加害行為」と認定した。

 そのうえで、「おおむね10%以上のシェアを有するメーカーの建材であれば、労働者が年1回程度はその建材を使用する現場で従事した確率が高く、被害を与えた蓋然(がいぜん)性が高い」と判断し、その基準を満たす9社に責任があると結論付けた。

 「一人親方」については従来の判例通り、労働関係法令の保護対象外とする一方、「(一人親方を)保護する法律を定めなかった立法府の責任を問うことで解決されるべき問題」と付言。メーカーの警告表示義務違反を認めたことで、作業現場にいた「一人親方」10人への賠償を初認定した。

 国の責任については、▽吹き付け作業は72年10月▽屋内作業は74年1月▽屋外作業は2002年1月以降−−にはそれぞれ、防じんマスクの着用義務付けなど規制をすべきだったと判断した。

 判決後に記者会見した原告側の村山晃弁護団長は「企業はこれまで責任回避を続けてきたが、判決は言い逃れは許さないと明確に企業責任を認めた。被害者を救済しなければいけないという心のこもった判決だった。国と企業にしっかり履行を求めていく」と述べた。【鈴木理之】


水道汚染で非常事態宣言 米・フリント市で鉛検出

2016年01月26日 | 化学物質

東京新聞2016年1月24日
水道汚染で非常事態宣言 米・フリント市で鉛検出
http://www.tokyo-np.co.jp/article/world/list/201601/CK2016012402000096.html

 

 【ニューヨーク=北島忠輔】財政難に苦しむ米北部ミシガン州フリント市で公設の水道水から高濃度の鉛が検出され、オバマ大統領が非常事態を宣言して健康被害の阻止に乗り出した。米自動車大手ゼネラル・モーターズ(GM)発祥の地として知られるが、二〇〇九年の経営破綻とともに人口が流出し財政は悪化。住民からの苦情を州当局は一年以上にわたり放置したとされ、抗議運動が広がっている。

 AP通信によると、フリント市の水道水は百キロほど離れたデトロイトから購入していた。五大湖の一つヒューロン湖から取水していたが、市はコスト削減のため、一四年四月に水源を近くのフリント川に変更。直後から変色や異臭、体調不良などの苦情が相次いだが、州の保健当局は「水は安全」と対応していなかった。

 昨年九月、医療機関の調査で子供の血液から鉛が検出されたとして、医師がフリント川の水を使わないよう警告。腐食性物質を含むフリント川の水で水道管から鉛が溶け出し、水道水に混入している疑いが強まった。市は十月に水源をヒューロン湖に戻したが、鉛の濃度は改善されていない。

 鉛中毒は脳障害などを招く可能性が指摘されており、住民らは反発。スナイダー州知事は今月に入り、連邦政府に支援を求めた。オバマ政権は十六日、非常事態宣言を出して事態に対処するよう命令。現場では州兵や現地警察、ボランティアらが住民にペットボトルの水を配っている。

 フリント市の人口は約十万人。自動車産業が市の経済を支えてきたが、GMが経営不振に陥った後は市の財政が悪化し、市街地も衰退。現在は黒人の低所得者が多く暮らしている。

 市出身の映画監督マイケル・ムーア氏は「黒人や貧困層からの訴えだったために当局は無視した。単なる水の危機ではなく、貧困層の切り捨てであり、人種差別の犯罪だ」と批判。米紙ニューヨーク・タイムズは「白人の中間所得層以上が多い地域だったら当局はもっと早く対処したのではないか」と指摘した。

 スナイダー知事は対応の遅れを認め謝罪したが、「人種差別は関係ない」と否定している。

 


ぼうこうがん発症新たに6人、4工場で トルイジン原因可能性低く

2016年01月23日 | 化学物質

毎日新聞2016123日 東京朝刊
ぼうこうがん発症新たに6人、4工場で トルイジン原因可能性低く
 http://mainichi.jp/articles/20160123/ddm/012/040/032000c

 

 発がん性が指摘される化学物質「オルトトルイジン」を扱う福井県の化学工場で従業員ら5人がぼうこうがんを発症した問題で、厚生労働省は22日、他にも4工場の6人が発症していたと発表した。ただ、業務の状況などからオルトトルイジンが原因になった可能性は低いという。会社や工場名について厚労省は「6人の特定につながるため公表できない」としている。【古関俊樹、林田七恵】

  厚労省はこれまでに同じ物質を扱ったり、扱った可能性があったりする会社の63工場に対し、従業員や退職者がぼうこうがんを発症していないかを聞き取り調査した。その結果、現在も同じ物質を扱っている2工場で2人の発症を確認した。この2工場では液体状の化学製品を作る工程で少量のオルトトルイジンが排出され、発症した2人は製品のサンプル調査を担当していた。しかし、製品を作る容器は閉され、ばく露の機会は少なかったという。

  また、過去に扱っていた2工場では4人が発症していた。3人が発症した1工場は「3人はオルトトルイジンを取り扱う工程に携わっていない」と説明。1人が発症した工場は約30年前に取り扱いをやめたという。

  一方、厚労省の所管の独立行政法人「労働者健康福祉機構」は職業性ぼうこうがんに関する健康相談ダイヤル(0120・519・187)を設置し、25日から従業員や家族らの相談を受け付ける。相談は平日の午後1〜5時。携帯電話でも無料で利用できる。

  オルトトルイジンは化合物「芳香族アミン」の一種で、発がん性が指摘されている。この物質を使って顔料や染料の原料を作っている福井県内の化学工場で従業員ら5人がぼうこうがんを発症したことが昨年12月に判明した。


建設現場の石綿訴訟、国に3件連続で賠償命令 大阪地裁判決

2016年01月23日 | アスベスト

日経新聞2016年1月22
建設現場の石綿訴訟、国に3件連続で賠償命令 大阪地裁判決 
http://www.nikkei.com/article/DGXLASHC22H2P_S6A120C1000000/

  建設現場でアスベスト(石綿)を吸い込み肺がんなどを発症したとして、大阪府などの建設労働者と遺族が国と建材メーカー41社に計約6億9千万円の損害賠償を求めた訴訟の判決で、大阪地裁(森木田邦裕裁判長)は22日、一部の原告に対する国の責任を認め、14人に計9746万円を支払うよう命じた。メーカーへの請求は棄却した。

 全国6地裁に提訴された同種訴訟で4件目の判決。国は3件連続で敗訴した。

 原告は1937~2011年に建設現場で働いていた元労働者と遺族ら。結審後に2人が死亡し、22日現在では計33人になっている。

 判決理由で森木田裁判長は、国は遅くとも石綿の吹き付け作業などを禁止した75年には具体的危険性を認識できたのに、95年まで防じんマスク着用を義務付けるなどの対策を講じなかったのは「著しく合理性を欠き違法」とした。

 原告のうち「一人親方」と呼ばれる個人事業主については、労働法令の保護対象外で国は賠償責任を負わないとして請求を退けた。最大の争点だったメーカーの責任も「加害企業の範囲が特定されていない」などとして認めなかった。

 建設労働者の石綿被害を巡る集団訴訟では、12年5月の横浜地裁判決が原告敗訴としたが、続く東京地裁判決(同年12月)と福岡地裁判決は国に賠償を命令。メーカーの責任はいずれも認めなかった。3件とも原告や国がそれぞれ控訴し、高裁で審理中。29日には京都地裁で5件目の判決が言い渡される予定だ。

 

 厚生労働省の話 国の主張が認められなかった点もあり、厳しい判決。判決内容を十分検討し、関係省庁と協議した上で対応したい。


米国 マイクロビーズ除去海域法が成立

2016年01月22日 | 化学物質

米国 マイクロビーズ除去海域法が成立
TÜV Rheinland 2016121
http://www.tuv.com/jp/japan/about_us_jp/regulations_and_standard_updates_jp/latest_regulations_2/latest_regulations_content_268352.html

 

 米国全体で意図的に添加されたプラスチック製のマイクロビーズを含む洗顔または洗体用化粧品の製造と流通を禁止する「マイクロビーズ除去海域法」という法案に署名し法律が成立しました。

すでに米国の複数の州では化粧品に対するマイクロビーズを禁止している法律が存在していましたが、今回の法律よって州法は差し替えられます。

プラスチックマイクロビーズとは、サイズが5mm未満 洗顔もしくは体を洗うための化粧品に使用されることが意図されている固体のプラスチック粒子です。

 この法律は、歯磨き粉中のマイクロビーズも禁止しています。

 マイクロビーズは、家庭の排水などから排出されフィルターなどで除去されることなく環境中(海、湖、川)に排出されます。

 このような小さな粒子は、有害物質を吸収する特性があるため、魚などがこの粒子を食べることで、食物連鎖として人が汚染される要因になっています。

この法律は、プラスチック製マイクロビーズを含む製品の製造は2017年7月1日から禁止され、1年後の2018年6月には販売も禁止されます。