脱ケミカルデイズ

身の周りの化学物質を減らそうというブログです。 

受動喫煙による肺がんリスク 国立がん研究センター、JTが異例の論争

2016年10月16日 | タバコ

北海道新聞2016年10月16日
受動喫煙による肺がんリスク 国立がん研究センター、JTが異例の論争
http://dd.hokkaido-np.co.jp/lifestyle/health/news/2-0087940.html

 

 「受動喫煙のある日本人はない人に比べ、肺がんになる危険性(リスク)が約1.3倍高い」。国立がん研究センター(国がん)が8月にこうした研究結果を発表し、受動喫煙が肺がんのリスクを上げるのは「確実」と評価しました。これに対し、従来「受動喫煙ががんの原因となる関係はまだ立証されていない」と主張する日本たばこ産業(JT)が即日、反論のコメントを公表。1カ月後、今度は国がんが「受動喫煙による肺がんリスクは、世界的には既に“確実”という結論が明確」と異例とも言える見解を出しました。他人のたばこの煙を吸わされる受動喫煙を巡っては、4年後の東京五輪・パラリンピックに合わせ、国が防止対策の強化を目指しています。両者の主張を読み比べました。

 JTのコメントは8月31日付で約千字。「(国がんが発表した)本研究結果だけで、受動喫煙と肺がんの関係が確実になったと結論づけることは、困難である」と反論しました。

 理由として▽肺がんなどの慢性疾患は、食生活や住環境などさまざまな要因が影響し、疫学研究(地域や集団など多くの人を対象に、健康に関わる要因を明らかにする医学研究)だけの結果で因果関係は結論づけられない▽複数の疫学研究を統合して解析する手法(メタアナリシス)は、選択する論文で結果が異なる▽今回選択された九つの研究は、いずれも統計学的に有意でない結果を統合したもの▽受動喫煙による病気リスクは、さまざまな機関などが多くの疫学研究を行っているが「リスクが上昇する」「上昇するとは言えない」の両方の結果がある―などを挙げています。

 これに対し、国がんは9月28日、「JTコメントへの見解」を出しました。約1万字もの長文。「(国がんが行った)科学的アプローチが十分に理解されておらず、受動喫煙の害を軽く考える結論に至っている。当センターと全く異なる見解です」と反論しました。

 見解の中で国がんは、世界保健機関(WHO)の下部組織、国際がん研究機関(IARC)が2004年の報告書で、環境中のたばこの煙は「ヒトに対して発がん性がある」とした判定と、米国公衆衛生総監報告書が06年、受動喫煙と肺がんの関連について「科学的証拠は、因果関係を推定するのに十分」とした判定を紹介しています。

そのあとは
http://dd.hokkaido-np.co.jp/lifestyle/health/news/2-0087940.html
をご覧下さい。

 


受動喫煙死亡 年間1.5万人 過半数が脳卒中 厚労省

2016年06月02日 | タバコ

毎日新聞2016年6月1日 10時09分
受動喫煙死亡 年間1.5万人 過半数が脳卒中 厚労省http://mainichi.jp/articles/20160601/k00/00e/040/168000c

 

 受動喫煙が原因で死亡する人は、国内で年間約1万5000人に上るとの推計を厚生労働省の研究班が30日までにまとめた。2010年の推計では約6800人で、その後に脳卒中との因果関係が明らかになったことから、脳卒中による死亡の約8000人が上積みされ、2倍以上になった。

 担当した国立がん研究センターの片野田耕太室長は「受動喫煙を減らすために国レベルで法規制するのが国際的な流れ。日本も最低限、職場や公共施設の屋内を禁煙にするべきだ」と話す。(共同)


子どもの健康長期喫煙ほど低体重児傾向…妊婦分析で判明

2016年01月07日 | タバコ

毎日新聞2016年1月6
子どもの健康長期喫煙ほど低体重児傾向…妊婦分析で判明
http://mainichi.jp/articles/20160107/k00/00m/040/090000c

 妊娠中の女性の喫煙期間が長いほど、より低体重の子が生まれることが、環境省などの大規模調査で明らかになった。妊娠前に喫煙をやめても、子の低体重につながる可能性が示された。喫煙期間が生まれた子の低体重に影響することが分かったのは初めて。低体重の子は将来、肥満などの生活習慣病になる危険性が高まるという。【渡辺諒】

 妊婦9369人分析

 「子どもの健康と環境に関する全国調査」(エコチル調査)に協力する全国の妊婦9369人と生まれた子を分析した。その結果、喫煙経験のない妊婦が出産した男児の平均体重は3096.2グラムだったが、出産時まで喫煙していた妊婦の男児は2959.8グラムと136.4グラムも少なかった。一方、妊娠初期に禁煙した場合は、喫煙経験なしよりも27.8グラム少ないとの結果だった。

  妊娠前から禁煙した場合も同7グラム少なかった。妊婦が喫煙すると、さい帯血が減って胎児が低体重になる。分析を担当した山梨大の山縣然太朗教授は「喫煙期間が長いほど影響が大きいことがはっきりした。妊娠前から禁煙しても、喫煙による健康状態や生活習慣などから低体重の子が生まれる危険性があるようだ」と話した。

 3歳児の花粉症、山梨・長野最多

 また、エコチル調査に基づく子どものアレルギー疾患の罹患(りかん)状況が発表された。そのうち花粉症を持つ3歳児は全体(回答数2万5963人)の4%に上った。地域によって割合が異なり、山梨・長野両県が最多の10%で、京都府6%、神奈川県5%と続いた。沖縄県が最も少なく1%未満だった。

  環境省は16日、これらの結果について、日本科学未来館(東京都江東区)で開くシンポジウムで公表する。【渡辺諒】

 エコチル調査

 化学物質や環境が子どもの健康に与える影響を調べるため、妊娠初期から子どもが13歳になるまで追跡する。2011年1月に募集を始め、現在の登録している母子は10万3106組。母子の血液や毛髪、半年ごとのアンケートなどを継続的に調べ、子の成長に影響する環境要因を32年までに解析する。


飲酒・煙草「18歳」引き下げ 根強い反対論の背景

2015年10月26日 | タバコ

THE PAGE2015年10月25日13時0分配信
飲酒・煙草「18歳」引き下げ 根強い反対論の背景(ライター・重野真)http://news.nifty.com/cs/domestic/societydetail/thepage-20151025-10254/1.htm

  飲酒・喫煙の禁止年齢の18歳への引き下げが議論になっています。自民党の特命委員会は先月、「民法」上の成人年齢を18歳に、「少年法」適用年齢を18歳未満に引き下げる内容の提言を安倍晋三首相に提出しました。一方で、飲酒・喫煙については、「18歳以上」と現行の「20歳以上」の両論併記する形となりました。「引き続き社会的なコンセンサスが得られるよう、国民にも広く意見を聞きつつ、医学的見地や社会的影響について慎重な検討を加える」と今後も検討を続ける姿勢をみせていますが、党内外から反対の声も強く、白紙撤回したと見る向きもあります。

 中略

  最近では米国医学研究所(IOM)が、アメリカでのたばこを購入できる年齢を、18歳以上から21歳以上に引き上げることを支持する報告書をまとめました。その理由は早死にや低体重の赤ちゃんを減らし、15~17歳で喫煙を開始する少年少女を減らすことです。報告書では、最低年齢を21歳に引き上げれば、早産児が約28万6000人、低出生体重児が43万8000人減少すると見込まれています。公衆衛生局の2013年統計で、喫煙者の約3分の2は18歳になる前から喫煙し、10代だとニコチン依存症になりやすいというデータもあります。

 このように科学的に喫煙の健康被害が立証され始め、ニューヨーク市やコロンビア市(ミズーリ州)などの都市では、最近最低年齢が21歳に引き上げられました。来年1月からはハワイ州でも喫煙の年齢が21歳以上に引き上げられる予定で、解禁年齢の引き上げの機運が高まっています。

後略

 

全文をご覧になりたい方は下記までhttp://news.nifty.com/cs/domestic/societydetail/thepage-20151025-10254/1.htm


喫煙すると薬が効かない 禁煙すると薬が効き過ぎる

2015年10月07日 | タバコ

日刊ゲンダイ2015年10月7日号
禁煙すると薬が効き過ぎる

 今回は、たばこと薬についての話です。その前にたばこに含まれる3大有害物質についてお話ししましょう。まずはニコチンです。ニコチンはニコチン依存を引き起こす原因物質で、中枢神経系に作用し、少量では興奮作用、大量では鎮静作用を示します。喫煙により、肺から吸収され全身に広がり、間接的には血管収縮作用ももたらします。また、代謝物は発がん性が認められています。

タールはフィルターに茶色く付着する、いわゆるヤニのようなべっとりしたもので、粒子相の総称です。タールには発がん物質として有名なベンツピレンをはじめ、アミン類など数十種類の発がん物質が含まれています。

最後の有害物質が一酸化炭素で酸素の200~250倍の強さでヘモグロビンと結合します。それにより血液の酸素運搬機能が阻害され、組織の酸素欠乏を引き起こします。他にも、多くの発がん物質やアンモニア・窒素酸化物などの有害物質があります。たばこの煙には4000種類の化学物質が合まれ、そのうち200種類以上は有害物質なのです。

そんなたばこと薬は当然ながら相性が良くありません。たばこを吸う人が薬を飲むと、効きにくいといわれています。それは、たばこに含まれるタール成分の中に肝臓の代謝酵素を増やす物質が含まれており、薬が代謝されやすくなるからです。

逆に禁煙した場合はこの代謝酵素が激減するので、薬が効き過ぎる場合があります。禁煙してから薬を飲むと調子が悪くなったという人は要注意。いずれにせよ、喫煙も禁煙しても医師・薬剤師に伝えることが非常に童要です。

▽近藤剛弘(こんどう・よしひろ) 薬学博士/薬剤師 ㈱ファイン総合研究所專務取締役/ファイン総合薬局岐阜大学病院前本局薬局長