脱ケミカルデイズ

身の周りの化学物質を減らそうというブログです。 

ナノ粒子は、幼児の方が体内に取りこみやすい

2012年04月23日 | ナノ物質

朝日新聞4月23日 ナノ粒子、幼児は用心

 ナノサイズの粒子を吸い込むと、大人よりも幼児の方が肺にたまりやすいことを、米ハーバード大主任研究科学者の津田陽(あきら)さんらがラットの実験で確かめた。ナノ粒子は、化粧品や排ガスなど日常的に触れるもので、動物実験では有害性が指摘され、国が人体への影響を調べている。津田さんらは、ラットに20ミリメートルと80ミリメートルの放射性イリジウムを吸わせ、たまった量を調べた。生後3週間のラットが最もたまっており、大人の約1.5倍だった。肺胞が発達途中で小さい子どもの方が取り込みやすく、人では2歳児に相当するという。

 

注) ナノとは、10億分の1(10のマイナス9乗)を表す接頭辞。ナノテクノロジーとは、10のマイナス9乗メートルのサイズで物質を制御することで、すでに日常的に多くの家庭用品に使われているが、その安全性が確認されているとはいいがたい。

 


ポテチ税 (2)

2012年04月15日 | 食品

朝日の1月10日の記事のあと、2月7日にも関連記事が出た。
「新聞でまなぶ 気になったことを調べよう」という見出しの、授業で新聞を教材として使おうというコーナーだ。
1月10日付けの記事「ポテチ課税菓子業界を直撃」を素材にしようという企画だが、話は「ハンガリーという国を調べよう」という方向。「身の回りの食べ物と健康との関係」とか、「嗜好品に税金をかけて抑制を促すという方法の是非」とかいうことではない。
もとの1月10日の記事も、「ポテチ課税菓子業界を直撃」という「健康」よりは、「経済」という視点だ。新聞の報道がこれではね。


一方、昨年10月17日の記事のあとには次のような投書が載った。日本でも、健康のための増税には一定の支持があることを示している。

朝日2011年10月27日
たばこ増税の努力を惜しむな(投書)
無職 西藤昭夫(奈良県橿原市69)

 ハンガリーでは9月から、糖分や塩分が多い食品への課税を始めたという。通称「ポテトチップス税」。スナック菓子や清涼飲料水などが対象だ。税収増に加えて、食生活改善で国民の健康状態が向上し、医療費を抑制する効果が期待されている。まさに一石二鳥の政策。同様の趣旨でデンマークでも10月から「脂肪税」が始まった。
 一方、日本は逆を行く。民主党が東日本大震災の復興増税案のうち、たばこ増税の見送りも視野に調整を続けているという。1本2円のたばこ増税をやめると2・2兆円もの財源が消えるが、自民党の反対意見が強いらしい。しかし、この増税に理解を示す国民は少なくないだろう。今月の本紙世論調査でも、たばこ増税賛成は63%。たばこが健康に及ぼす害は菓子の比ではないと、私は思う。
民主党はたばこ増税の成立に向けて努力を惜しまず、与党としての意地を見せてほしい。

ポテチなどのスナック類については、次のような本が出ている。

幕内秀夫『ポテチを異常に食べる人たち』WAVE出版、2010年
スナック菓子は、たばこや酒のように脳内で快楽物質を生み出し、強い依存性がある。原料の小麦粉やジャガイモ、トウモロコシそのものが「病みつき」になることはないが、そこに油・砂糖・うま味調味料・食塩という「うま味カルテット」の刺激が加わると、スナック依存症になるという。


地震対策には「高級入浴剤」「便器洗浄剤」を使わない生活

2012年04月05日 | 化学物質

週刊新潮2012年4月17号(4月5日売)
「死に神」から逃れるための特別講座 
心掛けるのは「高級入浴剤」「便器洗浄剤」を使わない生活

 地震の際にトイレに逃げ込むのは危険だが、実はトイレには、貴重なものがある。水である。風呂桶の水もまた、非常時には大事な役割を果たす。日頃から、トイレのタンクに洗浄剤を入れたリせず、また温泉気分を味わうための高級入浴剤を使わないような、そんな生活を心掛けたい。
 非常時用にと、ペットボトル入りの飲料水を何本もストツクしている家庭は多い。だが、実はどの家にも非常時用の水は備わっている。トイレの貯水タンクの水が、それだ。
「一般の家庭のトイレで流している水と、台所の流しの水は同じ塩素消毒された水道水なのです。ということは、トイレの水は飲める水なんですね」とは、先の渡辺氏(防災・危機管理ジャーナリストの渡辺実氏)。
「トイレの貯水タンクはだいたい10リットルもの水が定期的に入れ替わっている。最近は節水型やタンクレスも増えていますが、タンク型なら自動的に飲料水が貯水されている。流してしまうのは、もったいない話です」
トイレの水だけで2リットル入りペットボトル5本分だ。阪神や東日本大震災の経験で知ったのは、いかに水の確保が切実かということ。風呂水もまた貴重である。家庭用の風呂桶は200リットルから300リットルもの水が貯えられている。実にペットボトル100本から150本という大量の水なのである。防災グッズとして、携帯用浄水器が1本2000円前後で販売されている。これ1本で200リットルの浄水が可能なものもある。非常時には何とも頼もしい。
「その際、トイレタンクなどに洗浄剤、風呂に入浴剤などを入れていると、災害時のためになりません。毒ではありませんが、飲料水にする場含はそういうものは使わないこと」(同)
前の晩の風呂の水は捨てないで取っておくことが肝要。しかし、それではトイレは使えない。どうしたらいいのだろう。「もっとも安価で優秀なのが"猫砂"です」とは防災専門家の1人。猫砂とは、飼い猫の排泄用の砂のことである。「災害用に造られている簡易トイレは、1回あたりのコストが数十円と高い。しかし、吸水や消臭などの能力は、猫砂でも変りません。大抵、大袋で売っていますが、5~7リットル入りで400から800円ほど。3、4人の家族なら2袋もあれば1週間は持ちます。猫を飼っていない家庭でも常備しておくといい」水の確保とトイレの備えは、普段からの心がけが大切なのである。