脱ケミカルデイズ

身の周りの化学物質を減らそうというブログです。 

日焼け止め剤のナノ粒子が却って皮膚を損傷?

2013年01月21日 | ナノ物質

 ナノ物質は安全性が確認されないまま、日用品、特に化粧品関連で使用されています。

日焼け止めに含まれる二酸化チタン・ナノ粒子のコーティングが、プールの水に消毒剤として含まれる塩素によって剥がされ、皮膚の障害とがんをもたらす可能性があるという研究結果がでました。

 

化学物質問題市民研究会ホームページより
EHN 2012年10月5日 論文解説(Environmental Health News, October 05, 2012)の翻訳
日焼け止めの意図しない結果 皮膚を損傷するオキシダント(酸化剤) 解説:クレイグブット及びウェンディ・ヘスラーhttp://www.ne.jp/asahi/kagaku/pico/nano/ehn/ehn_121005_Sunscreen's_unintended_consequence.html

 水泳プールの塩素は、紫外線から肌を守る日焼け止めに含まれる二酸化チタン・ナノ粒子のコーティングをはがす可能性があり、はがされたナノ粒子は水と反応して、皮膚の損傷とがんをもたらす可能性がある。有害な紫外線から保護するナノ粒子は、太陽光中でも安定するようにコーティングされている。しかし、新たな研究は初めて、保護コーティングが分解されてフリーラジカルが形成されることを示した。フリーラジカルは、DNAを傷つけ、老化させ、がんをもたらす可能性が知られている。これらの化合物への曝露に健康影響があるかどうかは不明である。しかしこの研究は人々を太陽光から保護するとみなされている日焼け止めが、同じく皮膚を傷つけることができるもうひとつのリスクを生じるのではないかという疑問を提起した。

続きはhttp://www.ne.jp/asahi/kagaku/pico/nano/ehn/ehn_121005_Sunscreen's_unintended_consequence.html


ナノ粒子は、幼児の方が体内に取りこみやすい

2012年04月23日 | ナノ物質

朝日新聞4月23日 ナノ粒子、幼児は用心

 ナノサイズの粒子を吸い込むと、大人よりも幼児の方が肺にたまりやすいことを、米ハーバード大主任研究科学者の津田陽(あきら)さんらがラットの実験で確かめた。ナノ粒子は、化粧品や排ガスなど日常的に触れるもので、動物実験では有害性が指摘され、国が人体への影響を調べている。津田さんらは、ラットに20ミリメートルと80ミリメートルの放射性イリジウムを吸わせ、たまった量を調べた。生後3週間のラットが最もたまっており、大人の約1.5倍だった。肺胞が発達途中で小さい子どもの方が取り込みやすく、人では2歳児に相当するという。

 

注) ナノとは、10億分の1(10のマイナス9乗)を表す接頭辞。ナノテクノロジーとは、10のマイナス9乗メートルのサイズで物質を制御することで、すでに日常的に多くの家庭用品に使われているが、その安全性が確認されているとはいいがたい。

 


ナノ材料が多剤耐性菌を増やす恐れ

2012年03月15日 | ナノ物質

朝日新聞2012年3月15日 ナノ材料 新たな懸念 薬効かぬ細薗増やす可能性

化粧品など日用品にも利用が広まっているナノ材料が、多くの抗生物質が効かない多剤耐性菌を増やす可能性があることがわかった。中国のチームが今週の米科学アカデミー紀要電子版に実験緒果を発表した。細菌は、通常のDNAとは別のプラスミドと呼ばれるDNAを持つ。これが別の細菌に移ることがあり、薬剤耐性が広がると考えられている。酸化アルミニウムなどのナノ材料を水に加え、大腸菌からサルモネラ属菌ヘプラスミドの中の多剤耐性遺伝子が移る効率を調べたところ、ナノ材料なしの場合に比べ数十~数百倍になっていた。ナノ材料が細菌の細胞膜を傷つけ、耐性遺伝子が細胞間で移りやすくなったらしい。直径が100ナノメートル(ナノは10億分の1)以下のナノ材料は、さまざまな工業応用が期待される一方、発がん性なども心配されている。今回の結果は新たな懸念材料を加えるもので、チームは「下水処理への悪影響などを評価するうえで重要」としている。(南宏美)