脱ケミカルデイズ

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農薬被害に晒されるミツバチ 大量死の原因はネオニコチノイド系農薬か?

2012年05月18日 | 農薬

朝日新聞2012年5月9日 農薬からミツバチ守れ 巣箱の被害報告 年間1万個

 ミツバチの農薬被害が続いている。量によっては大量死につながり、即死しなくても、中長期的に影響が出る恐れもわかってきた。自治体などと協力して、被害回避の取り組みを始めた現場もある。ただ、農薬被害の一因は、消費者にもあると専門家は指摘する。

大量死の謎解明進む

 4月半ば、まだ肌寒い盛岡市。三代続く藤原養蜂場の巣箱に、花粉をつけたミツバチが戻ってきた。ミツバチは2000年代半ば、北米などで大量に姿を消す異常現象が続いた。国内では09年にミツバチの大量死が多発。畜産草地研究所によると、09年6月~10年3月、国内ではのべ90戸の養蜂家らから大量死などが報告された。ミツバチの減少は世界的な関心事になった。

 大量失踪や大量死には、農薬、ダニ、ウイルス、環境の悪化など様々な要因や、それらが複合的に関わった可能性が指摘されている。中でも注目されているのがネオニコチノイド系農薬の影響。イネにつくカメムシなどの防除に使われている農薬だ。

 日本養蜂はちみつ協会などの調べでは、08~10年度に毎年8千~1万1千の巣箱が農薬被害に遭ったという報告が寄せられた。畜草研が調べたところ、09年に農薬で死んだと報告されたハチの9割以上、弱ったハチの7割近くからネオニコ系の農薬が出た。ネオニコ系農薬は、中長期的な影響の恐れも指摘されている。

 ハチがすぐには死なない程度のネオニコ系農薬をえさに混ぜて食べさせると、巣に戻る働きバチは大量に減った――。こんな論文が3月の米科学誌サイエンス電子版に掲載された。同時に載った別の論文によれば、この農薬を混ぜたえさを食べて育ったハチの巣は、新しく生まれる女王蜂の数が減ったという。6月にはハーバード大も、ネオニコ系農薬の長期的な影響を明らかにした研究結果を発表する予定だ。

 藤原養蜂場の藤原誠太杜長は「ネオニコ系農薬は禁止するべきだ」と話す。藤原さんは現在、欧州などの養蜂家らとも情報交換しながら、禁止に向けた活動を続けている。一方、畜草研の実験では、致死量以下のネオニコ系農薬をハチの体に塗ったところ、異常行動や寿命が短くなるなどの現象は確認できなかった。影響についてはまだわからないことも多い。畜草研の木村澄・主任研究員は「原因究明の研究も重要」とした上で、「まずはミツバチが農薬を浴びないようにする対策で被害を防ぐことが大切だ」と話す。ハチの習性を利用して、農薬を避けさせる方法などを検討中だという。

ハチ不足 農家も打撃

 農林水産省によると、国内の養蜂家は約5千戸。飼育されているミツバチは約17万5千群いる。ミツバチの経済的な効果は、ハチミツなどの生産物より、野菜や果物の受粉の方が大きい。畜草研などの試算では、施設栽培でのミツバチの経済効果は約1935億円。ハチ不足は農業生産にとって深刻な問題だ。

 そこで、ミツバチを農薬から守る対策に取り組んでいる現場がある。北海道は10年度から上川地方で、水に溶かすタイプの薬剤を使うなどの指導をしている。粉末よりも周囲への飛び散りが少なく、農場外にいるミツバチに被害が出にくい。農薬の散布の日程を生産者側から聞き、養蜂家側に情報提供したり、養蜂家側の被書実態や要望を生産者側に提供したりもしている。道畜産振興課は「ミツバチが大量に死ぬような生産現揚では印象もよくない。ミツバチと共存するようなあり方は両方の利益につながるLと説明する。特定の薬剤の使用をやめたり、使用量を減らしたりする農家が出てきているという。日本養蜂はちみつ協会によると、同様の取り組みは長野県などほかの自治体でも始まっているという。

 ただ、ネオニコ系農薬が使われる背景には、消費者の意識もある。イネにカメムシがつくと、斑点米という黒い米粒になる。食べても害はないが、わずかな割合でも斑点米が含まれると等級が下がり、農家にとっては経済的に打撃となる。

 「ミツバチが死ぬのは怖いと思いながら、真っ白なご飯をありがたがる意識の間にはずれがある。これを啓発することが必要だ」。そう話すのは、玉川大学ミツバチ科学研究センターの中村純教授。「ハチミツやご飯の向こうにある景色、生産現場への意識を持って欲しい」と指摘する。(小坪遊)

記者ノート ハチの農薬破害消費者エゴも一因に

 「現場の憤りは限界に近い」。取材で見た農薬被害の報告の特記事項にそうあった。その憤りを受け止めるべきなのは誰なのだろうか。農薬なしの農業に急に移行することはできない。ミツバチを殺したくて農薬をまく農家はいないだろう。メーカーもミツバチヘの被害は減らしたいはずだ。でも、被害はなくならない。毒はないのに、カメムシが汁を吸って見た目が悪くなった米が混じっていると、「ダメな米」になる。「等級が下がるくらいなら1回余分にまいた方がまし」。そう思って使う農家もいると聞いた。なぜそんなに「きれいな」米が必要なのか。そもそも私自身、食卓で斑点米が混じったご飯を見たこともなかった。「きれいな」白米の背景を知ろうとすらしていなかったのかもしれない。

 ミツバチの死の原因究明が進み、対策がとられても、斑点米を許さない現状が変わらない限り危機は去らない。憤りは、私のエゴや無知にも向けられているのではないか。そんな気がした。(小坪遊)


「人肉カプセル」中国から韓国に

2012年05月18日 | 中国

朝日新聞2012年5月8日 「人肉カプセル」中国から韓国に 関税庁が摘発

 韓国関税庁は6日、中国東北部から死産した胎児の体を粉末にして作った「人肉カプセル」が韓国に大量に持ち込まれている、と公表した。

 関税庁によると、昨年8月以降、中国東北部の延吉や吉林などから届く国際郵便や飛行機などで訪韓する旅行者の携帯品から、医薬品を装った計1・7万錠の中身が不審なカプセル入り粉末を摘発。分析した結果、粉末には人体のDNAが含まれ、髪の毛やつめを裁断したとみられるものも含まれていたという。担当官によれば、中国東北部の発送元をたどって調べた結果、製造現揚も確認したという。一方、韓国内では主に重労働につく在韓中国人が「滋養強壮剤」として服用しているほか、末期がん患者が購入している事例もあった。

 カプセルからは有害なスーパーバクテリア(多剤耐性菌)も検出されたとし、関税庁は旅行者の携帯品や国際郵便の通関手続きを強化する方針だ。(ソウル)