脱ケミカルデイズ

身の周りの化学物質を減らそうというブログです。 

タイ 甘い飲料で医療負担増 政府が課税検討

2016年06月28日 | 食品

エコノミスト2016年6月28日号
タイ 甘い飲料で医療負担増 政府が課税検討

 タイの緑茶飲料は甘いものが多い。単なる加糖タイプはともかく、「ライチ風味」「グレープ風味」といったものさえある。

こうした糖分の多い緑茶飲料に物品税を課そうという動きが出てきた。軍政下で新設された国家改革運営議会は4月末、飲料の課税対象を拡大する案を可決し、内閣に提出した。

炭酸飲料や果汁飲料には20~25%の物品税が課されている。茶飲料についても課税が検討されてきたが、健康によいとされることや、茶葉農家の保護もあって非課税とされてきた。

それでも今回また浮上したのは、歳入増に加えて国の医療負担を滅らしたい意図があるようだ。国際糖尿病連合(IDF)が2015年11月に発表した報告書によると、タイの成人に占める糖尿病患者の割合(推定)は8・O%で、目本の7・6%を上回る。肥満率の高さも指摘されており、生活習慣病の予防による医療費の抑制が課題となっている。

徴税当局によると、「人体に与える影響に基づき税率を算出する方針」で、20%以上にはなりそうだという。これに対して飲料メーカーは反発。政府が課税に踏み切った場合、値上げは避けられないだけに、消費者離れも懸念される。業界団体の意向をくむか、医療財政の負担軽減を重視するか。強権を持つ軍政の判断に注目が集まる。(中島政之・NNAタイ版編集長)


ニューヨークで肉離れが急速に進行

2016年06月22日 | 食品

日刊ゲンダイ2016年6月22日
ニューヨークからお届けします シェリーめぐみ
肉離れが急速に進行

アメリカの代表的な世論調査である「ギャラップ」によれば、2009年には米全人口のわずか1%だったベジタリアンが、12年には5%に増加。その半分は、乳製品も取らない完全な菜食主義者「ヴィーガン」とのことでした。

別の調査では、ベジタリアンに限らずアメリカ人の4割近くが、外食時は常に、あるいは場合に応じて「ベジタリアン食」をオーダーしているとの結果です。

アメリカ人の食生活がなぜ急速に肉から野菜に移行しているのか?理由はさまざまですが、劣悪な環境で飼育される家畜の現状が頻繁に報道されるようになったことは大きいでしょう。また、「健康のため」と考えている人も非常に多い印象です。

たとえば先月の「タイム誌」では、ヴィーガンの健康への効用を特集する記事が掲載されました。フィレンツェ大学の研究結果をもとに、「ヴィーガンの人は虚血性心疾患やがん患者の率が劇的に少ない」と述べ、ほかの研究結果から「更年期障害を軽減し、ストレスを下げる効果があった」と報告。さらに、「ダイエットに劇的な効果があった」というサウスカロライナ大学の研究結果も伝えています。

医療関係者の中には、動物性タンパク質をまったく取らない食事を批判する人も少なくありません。しかし、肥満が国民病になっているアメリカ人にとっては、極端に見えるベジタリアンやヴィーガンも、長い目で見るとバランスが取れているのかもしれません。

この現状を反映して、ニューヨークではベジタリアンやヴィーガンの食事を出すおしゃれなレストランが続々オープン。ベジーバーガーで知られる「バイ・クロエ」(By Chloe)や、キヌア・ボウルが人気の「スイート・グリーン」(Sweet Green)などのファストカジュアル・レストラン・チェーンが“ヒップ”(流行に敏感)な若者に大人気です。


住まいは浴槽700~800杯分の空気に気をつける

2016年06月07日 | 化学物質

日刊ゲンダイ2016年6月7日
健康は住まいがつくる28 予病住宅1 
浴槽700~800杯分の空気に気をつける

病気は住宅環境を変えることによって予防できるのではないか――。そんな考えからスタートした本連載だが、実際に住宅を建てている人たちはどう考えているのか。10年ほど前から「予病住宅」を造り続けている「ファミリア建設」(東京・東村山)の菊地英豊社長が言う。

「健康というと食べ物や飲み物ばかりが注目されますが、同じように体の中に直接入る空気への認識が低いのは問題です。人は1日に浴槽700~800杯分の空気を吸っています。それも、化学物質がたくさん使われている建材に囲まれた室内の空気を吸っています。そこに病気の遠因が隠れていないか、考えるべきです」

建築基準法では、シックハウス症候群の原因となるホルムアルデヒドを発散する建材の使用制限を設けている。ただし、どの程度、ホルムアルデヒドを発散したらアレルギー症状などで健康を損ねるのかハッキリしておらず、その基準はあいまいだ。

「ほかにも、日本の建物には化学物質が多く使われている建材がある。しかし、こちらも"体に良くないが、この程度までなら大丈夫だろう”ということで許可されているようにも感じます。だったら、病気の原因になる可能性がある建材は使わないことです」

同社が造っている「予病住宅」で使われる建材は、すべて自然素材。柱や梁などは自然乾燥させた調湿性に優れたスギやヒノキの無垢を使う。内装の壁には漆喰や石灰タイルを使用している。

「最近は、海底の植物性ブランクトンの化石を原料にしている珪藻土の内装も自然素材で人気がありますが、実は固めるために樹脂を混ぜているケースが多い。自然素材を徹底するなら、石油性ののり剤を使わなくていいものを選ぶべきです」

内装で大事なのは、湿気や空気を通す"呼吸をする素材"を使うことだという。同社はその特性を高めるために「在来真壁通気工法」という独自の工法を開発して取り入れている。「この工法は、内壁の部分に室内の空気の通り道を設けたつくりになっています。それによって四角い木の柱の3面が空気に触れているので、木の持つ調湿性が格段とアップし木材自体の劣化も防げます。それに通気が良く空気のよどみがなくなるので、アレルギー疾患の原因となるダニやカビの発生も抑えられます」

自然な建材を使った高断熟住宅は、万一火事が発生したときに、犠牲を最小限に抑える効果もあるという。

「火事の死因では逃げ遅れによる焼死や、心不全、呼吸不全と診断されてしまいますが、実際はビニールクロスや断熟材といった石油系建材による有毒ガスを吸うことで亡くなっているケースが非常に多い。健康を守る住宅は命を守る住宅でもあるのです」


コーヒーは2型糖尿病に効果あり ただしブラックで飲め

2016年06月06日 | 食品

2016年6月4日(土)7時0分配信 NEWSポストセブン
週刊ポスト2016年6月10日号
コーヒーは2型糖尿病に効果あり ただしブラックで飲め

  生活習慣病の代表ともいうべき糖尿病。コーヒーは2型糖尿病に効果ありと、世界から報告が相次いでいる。アメリカ化学会は2011年に「1日4杯以上を飲む人は、2型糖尿病の発症率が50%少ないことが判明」の研究結果を発表した。さらに、飲む量が1杯増えるごとに発症率は7%低下するというのだ。摂取量についてはフィンランド国立公衆衛生研究所が行なった大規模調査で、結果が出ている。

「1日3~4杯を飲んだ場合、飲まない人に比べ女性で29%、男性で27%。1日10杯以上飲んだ場合は、女性で79%、男性で55%が糖尿病にかかる率が減少する」

 もちろん、これはブラックで飲み、一緒に甘いお菓子類を食べないことが大前提だ。

 それにしても、なぜ糖尿病の発症率を下げるのか。熊本県立大学環境共生学部食・健康環境学科の奥田拓道教授らの研究によると、クロロゲン酸が血糖値の抑制に関わっているためだという。カフェインに予防効果があるという研究もあり、続報を待ちたいところだ。

 死亡リスクにも関わる、というデータも出ている。国立がんセンターの『多目的コホート研究(JPHC研究)』より「1日3~4杯飲む人の死亡リスクは、まったく飲まない人に比べて24%も低い」と成果が発表された。それも、飲む量が増えれば増えるほど、リスクが下がるという傾向が認められた。


WHOチャン事務局長は「食品、炭酸、アルコールと戦う」

2016年06月03日 | 食品

日刊ゲンダイ2016年6月3日
WHOが狙うのは「たばこ追放」だけではない チャン事務局長は「食品、炭酸、アルコールと戦う」と宣言

WHOのトップ、マーガレット・チャン氏は2007年、事務局長に就任。現在2期目である。香港でSARSが猛威をふるった03年、香港衛生局長だった同氏は7月、SARS対応の失敗が間題視された過去を持つ。11年の選挙は無投票で再選された。

豪州のPP(ブレーン・パッケージ)規制が実施された後、13年にチャン氏はこう言い放ったと報じられている。

「たばこだけではなく、巨大な食品、炭酸、アルコールと戦わなければならない」

規制の網をたばこだけでなく、他の商品にまで拡大させようということだ。実際、世界の動きはWHOの狙い通りに進み始めている。

「その最たる国が英国です。世界でも有数のアルコール摂取量指針を採用する、方針で、今年1月、英政府は摂取量の新ガイドラインを公表しました。男女の差を撤廃し、男性の摂取上限を大幅に削減したものです。このほか、清涼飲料水に含まれる砂糖の量に応じて課税する砂糖税を18年から導入することも決まりました。砂糖入り清涼飲料水への課税を巡っては、WHOが今年1月に課税を推奨する報告書を発表。米国の一部の州やフランス、メキシコなどがすでに実施しています」

パッケージ規制と課税強化・値上げで"健康に悪いもの"を放逐しようとする動きは、まさにグローバルな展開となっているのだ。

(後略)