2015年4月24日
とん挫した、ペットボトルのふた、リサイクルでワクチン寄付
2 3日、全日本プラスチックリサイクル工業会は、NPO法人「エコキャップ推進協会(エコ推)」へ、売却利益を渡さないことを決めた。
エコ推は、ペットボトルのふたを集め、その売却益を、「世界の子どもたちにワクチンを贈る活動をしている。工業会のうち20社がエコ推と業務契約を結んでいた。活動の内容は、学校などでふたを集めてリサイクルし、ふた1キロあたり20円をエコ推に支払うというもの。ところが、エコ推が支払われた売却益をワクチン代として寄付していないことが発覚した。
ワクチン代を途上国の子どもたちに贈る窓口を担っているのは「世界の子どもたちにワクチンを日本委員会(JCV)」。エコ推は2013年9月以降JCVに1円も寄付していないことが分かった。企業は、今後別のNPO法人を通じてか直接JCVに寄付することにしている。
工業会は2008年からエコ推に協力。2013年5月から1年間でふた2293トンを集めた。これは支払金額4581万円に相当する。
もともと、エコキャップ(ペットボトルのふた)のリサイクルという事業自体、批判が大きかった。リサイクル事業としてはあまりにも効率が悪すぎ、投入される労力(ボランティアだが)、輸送や加工エネルギーと比較して、得られる効果があまりにも小さすぎる。その結果得られる利益も小さく、所定の目的に資する効果が小さい。
ウイキペディア等によると、ワクチン一人分20円を得るのに、キャップ800個、2キロを集める必要もある。さらに輸送費として、寄附金の9倍の金額を輸送業者や協会(袋代として)に支払う必要ある。輸送費負担金額を直接寄付にまわした方がはる簡単に所定の目標に資する。業者の引き取り価格は1キロ(400個)15円で、これは他のプラスチック200円程度と比べてもかなり低い。
「リサイクル=エコ」という発想がバランス感覚もなく、暴走した結果だといえるだろう。