脱ケミカルデイズ

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食品中のカドミウムとがん発症、明確な関連なし

2012年05月23日 | 食品

読売新聞 2012年5月1日 食品中のカドミウムとがん発症、明確な関連なし

 食品に含まれるカドミウムの長期摂取と、がん発症のリスクに明確な関連がないことが、国立がん研究センターの大規模調査でわかった。

 発がん性物質とされるカドミウムは、国内の食品に微量含まれており、長期摂取とがんとの関係が懸念されていた。

 がん研究センターは、岩手や長野、茨城、沖縄など9府県の45~74歳の男女約9万人を対象に、1995年と98年に食事などについてアンケート。2006年まで追跡し、がんになった5849人(男3586人、女2263人)の摂取した食事のカドミウム量とがん発症の関係を調べた。

 喫煙や飲酒などの他のリスクを除いたところ、カドミウム摂取量とがんのリスクに相関はなかった。部位別には、カドミウム量が多いと、男性で胃がんと膵がん、女性で腎がんと子宮体がんのリスクが高かったが、統計的な差はなかった。

 国際がん研究機関は、カドミウムを扱う労働者や汚染地帯では肺がんが増加するとし、発がん性物質と分類する。今回の結果について、がん研究センターの沢田典絵研究員は「食品中のカドミウム量が少ないこと、吸入ではなく摂取であることが考えられる」と話す。

 

一方、カドミウムとがんについては、以下のような情報もあります。

化学物質問題市民研究会 EHN 2012年5月14日の記事の紹介 「低レベル カドミウム曝露は女性のがんリスクを増大する」 

 スウェーデンの研究者等がアンデス高原のアルゼンチン女性202人の現在のカドミウム曝露を表す血中のカドミウムと、長期曝露を表す尿中のカドミウムを測定し、メチル基をDNAに付加する遺伝子のレベルを計算し、血液細胞のDNAの近傍の特定の場所にあるDNAタグの数を調べた結果、長期的なカドミウム曝露ががんリスクを増大させる可能性を導き出したという内容です。アルゼンチン女性のカドミウム曝露は主に食事経由であるとしています。国際がん研究機関(IARC)はカドミウムを発がん性のある物質(グループ1)と分類しています。
http://www.ne.jp/asahi/kagaku/pico/research/ehn/ehn_120514_Low-level_cadmium.html