新宿御苑2009年6月9日(火)

2009-06-10 23:03:33 | 東京23区とその近辺
ぼくが通っているカルチャーセンター(生涯教育教室)で5月
14日(木)に新宿御苑の見学・講義があった。
講師は東大名誉教授の方で明治初めに新宿植物御苑を造っ
た福羽逸人という方のお弟子さんにあたる。
ここで仕事をされていたので、博学多識で薀蓄も深く大変お
もしろかった。
そのときには講義と見学に集中したかったので、写真機はもっ
て行かなかった。
それで今日ゆっくりと見るためにやって来た。それと、碓氷峠
で傷めた右ひざが治らないので、近場でリハビリするという
目的もある。

新宿御苑の歴史は、徳川家康が豊臣秀吉の命令で江戸に
入城した頃にはじまる。江戸城の守護を目的として家臣の
内藤家に広大な土地が与えられて、その一部に屋敷や庭が
できて、その場所がつながっていく。
明治維新の前は、高遠藩主内藤家の下屋敷だった(内藤家は
旗本から大名に出世した)。大木戸門の所にある玉藻池を中
心にした雰囲気のいい日本庭園は内藤家下屋敷の庭園とのこ
とだった。
明治には、この場所は国の所有になり内藤新宿試験場として、
世界にも目を広げた農業等の研究施設となる。
名前は変わるがこの性格はかわらず続く。国の迎賓施設や
皇室の儀式施設としても使われた。現在でも年間数日は皇室
などの行事に貸切になる。
戦後は国民公園新宿御苑として開放された(国の所管)。
今のような公園形式になったのは、先ほどの福羽御料局長の
御苑改造計画によるもので、明治の後半に、イギリス風景式
庭園、フランス整形庭園、日本庭園で構成されるようになった。

新宿門から大木戸門方面に向かうとこういう感じ。
新宿の町中とは思えない静けさ。

日本では珍しいレバノンシーダー、中近東を代表する
木。

隣はおなじみのヒマラヤスギ。下の写真はその実。



ハナノ木、知らない木があるとうれしくなる。

立派なヒマラヤスギの後ろの建物が旧洋館御休所。
1896年(明治29年)建築。
この少し前頃の「アメリカの住宅様式」らしい。

ヒマラヤスギの西側からみた玄関前。

同じく東側から。

真ん中ユリノキ、5月の時は花が咲いていたがすで
に終わっていた、右側メタセコイヤ。

ホオノキ、5月に咲いていた花は終わっていた。

印象に残った木だが名前は知らない。

枇杷、たくさん実がなっていた、こんなに大きい
と感動する。

違うところの枇杷、こちらの実にはカラス
が群がっていて、さわがしかった、すこし
怖かった。

内藤家の大名庭園の跡、この写真をとるために立って
いる辺が屋敷の縁側あたりと思う。
見えている玉藻池の周りには本格的望遠レンズのカメラ
や野鳥観察望遠鏡の人が数人じっと座っていた。
ぼくが歩き回るとじろっと見られたような気がする。
カワセミをまっているのだろうか。

カシワバアジサイ、ちょうど花がきれいだった。

フランス整形庭園、写真を写すのに立っているこの砂利
引きの場所には計画ではフランス風の宮殿を建てる予定
だったが予算が集まらず現在も砂利引き広場のままである。
ここをはさんで東側がフランス整形庭園、西側がイギリス
風景式庭園と対照して見られるようになっている。

フランス庭園側のプラタナスの並木(庭園の両側にある)、
日本のプラタナス並木の木はすべてこの木の子孫とのこと。
これだけ大きくて、そろっていると感動する。上下の写真。



ばらがきれいだった。

背景に新宿、代々木の街が見える。

イギリス庭園から見た砂利広場とフランス庭園。

イギリス風景式庭園の全景。

そこの端にあったケヤキとおもわれる大木(右側)。
いろんな木が茂っている。

おなじあたりのぼくの好きなタイサンボク、花が咲い
ていて、いい香りだった。

池の最下流、渋谷川へ放流(上は池側、下は川側)。



アメリカササゲ、百数十年を経ている本体は枯れて
いるが、周りから芽をだしている、すばらしい。

隣にある小さいアメリカササゲ、花が咲いている。
説明板によると枯れた木と根はつながっているとの
こと。

可憐なその花。

プラタナスの大木、並木のもこれも百数十年経ている
のだろうが、並木のほうは剪定するから少し幹なんか
が細くなるのだろうか。
それとも種類が違うのだろうか。

かつら。いかにも古い木という雰囲気をかもしだしている。

旧御涼亭、台湾が日本だったころに台湾から贈られた建物。

タイワンスギ、台湾を代表する木とのこと。
父は一歳から旧制高校を卒業するまで台湾に住んでいたの
で、昔、生きている頃に一緒に来たらいろいろ話をしてく
れただろうと思う。

旧御涼亭から見た対岸の多行松(たぎょうしょう)。
赤松の園芸種とのことだが、5月の時にはじめて見たので
印象に残った。東海道を歩いた時に滋賀県石部宿(甲西駅)
近くで、「うつくし松自生地」の看板があり、説明書にこれ
とよく似た松が載っていた。少し遠かったので行かなかった
が行っておけばよかった。園芸種と自生種なので似ているが
違うのだろうか。
とにかく気に入ったので、何枚も写した。









ラクウショウ、前に出てきたメタセコイヤとそっくりだけど
この木は下の写真のように気根を地上に突き出すところが珍
しい。





ラクウショウの葉、メタセコイヤと見分けがつかない。

興味津々できょろきょろしすぎて、疲れた(上下)。


都会の真ん中にこんなすばらしいところがあるとあらためて思っ
た。乳母車を押したお母さんの団体が幾組みもいて皆よく知って
いるのだなーと思った。
新宿という町にとって、長い歴史の中で生き残ってきた息抜きの
場所のであり、大事に残していかなければならない場所と思う。
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